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1999年2月15日 ギドン・クレーメル&クレメラータ・バルティカ
(ザ・シンフォニーホール)

作曲者
演奏曲
評価
シュニトケ
 
 
ヴィヴァルディ
ピアソラ
ヴィヴァルディ
ピアソラ
ヴィヴァルディ
ピアソラ
ヴィヴァルディ
ピアソラ
合奏協奏曲 第1番
(2つのヴァイオリン、弦楽、
  プリペアード・ピアノのための)
「春」
   「夏」
「夏」
   「秋」
「秋」
   「冬」
「冬」
   「春」

 
 

 
 
 
 
 
 
 
(Vn)ギドン・クレーメル/タチアナ・グリンデンコ
【短評】 「感激!」
 コンサートでこんな気持ちになったのは初めてかもしれない。クレーメルの手から溢れ出る新鮮な音響に気持ちが高ぶり、胸がときめいた。
 ヴィヴァルディの「四季」とピアソラの「四季」。2人の「四季」を季節ごとに交互に演奏するスタイルにまず驚かされた。ピアソラではCDでも聴かれるような、熱い演奏。一方、ヴィヴァルディでは、思いっきりはめを外して楽しませてくれた。意表をつくフラジオレット、テンポ、プレージング・・・特に「冬」の第2楽章をAllegrettoで駆け抜けたのには驚いた。先月、BPOメンバーによる正統的な「四季」を聴いた後だけに、衝撃的であった。
 前半のシュニトケでは、まるで「サスペンス映画」を見ているように、次々と情景が変化していった。ただ、共演のグリンデンコの音量が大きく、ppを大事に演奏しようとするクレーメルとのバランスが崩れていたのが残念だ。
 今夜はアンコールも大サービス。前半にはトラディショナル(マローン編)の「スウィート・ジョージ・ア・ブラウン」。全く知らない曲だがジャズ風でノリのよい曲で楽しめた。
 極めつけは後半のアンコール。まず、アレキサンダー・バクシの「返事のない電話」という曲。クレーメルが指揮をしたのだが、指揮棒はなんと携帯電話。曲風は電話の呼び出し音をイメージしたもの。さらに驚くことには、携帯電話の呼び出し音(実音)がこの曲中に何度も登場するのだ。鳴り続ける携帯電話を片手に、右往左往するクレーメル。曲とは言い難いが、パフォーマンスとして大いに楽しめた。
 さらにアンコールは続く。クレーメルが日本語で「バルティカの誕生日を記念して多くの作曲家に曲をお願いした。ベートーベン、ブラーム・・・・はははっ・・・」そして演奏された曲は「HAPPY BIRTHDAY TO YOU!」はじめはオーソドックスな演奏だったが、次々と曲風が変化していく。よく聴けば、大作曲家の代表作を「HAPPY BIRTHDAY TO YOU!」にアレンジしていた。一番分かりやすかったのはブラームスのハンガリー舞曲第5番風(たぶん)にアレンジされた部分だった。この他にもあったのだが、忘れてしまった。機会があれば是非もう一度聴いてみたい。どなたか、どんな曲のアレンジだったのかご存じの方いらっしゃれば教えて下さい。
 さらにさらにつづくアンコール。スタンディングオベーションの続く中、お客は半分近く退席していたのだが、それでもなお、アンコールを披露してくれた。ご存じピアソラの「エスクアーロ(鮫)」いかにもクレーメルらしい選曲で、大盛況の中、この日の演奏会は幕を閉じた。
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