平日であったにもかかわらず、カザレの登場のためか客席は80%位は埋まっていた。京響にとっては珍しいことか。。。
オープニングの序曲は京響らしく、女性的でおとなし目の演奏であった。特に弦がひ弱だったがこういう曲には合っていたかも。大友さんの指揮はとても明確で、オケもそれにぴったりと合っていた。フィナーレの導き方はまさに絶妙。ひと足早くニューイヤーコンサートがやって来たような気分になった。
2曲目は期待のカザレの登場。ものすごく繊細な演奏で、ボリューム的には消化不良か。オケもR.シュトラウスの様相を呈していなかったように思う。特にオーボエに違和感を感じた。第2楽章は最も美しかったが、やはり活気が感じられなくそのまま曲は閉じられてしまった。オケがホルンに遠慮しすぎてしまったのだろうか。何にしても十分にカザレの演奏を楽しむことが出来なかったのが残念。
最後は幻想。京響にはフランスものがよく似合うと思っていたが、やや線が細くてフランスらしさに乏しい感じがした(もう少しふくよかさも欲しい)。とは言え、前半のプログラムと比較すると健闘していた方であろう。第2楽章の気品あふれる舞踏会の演奏は大友さんならでは。第3・4楽章はとても緊張感があり、ダラダラと退屈な演奏にならなかったのがGood! 第5楽章はノリも最高潮になり凄まじいまでのフィナーレとなった。この曲の魅力をフルに引き出していたレーニのクラリネットだが、第5楽章のおいしい部分で外してしまったのは非常に残念なところ。難易度が高いところであるが。
終演後、カザレにサインをもらおうと楽屋口に行ったら20人ほど待っていた。しかし、カザレが出てきたときにサインをもらいに行ったのは私を含めて3人ほど。そこで近くにいた女性の発言が聞こえた。「あの人がホルンの人なんだ。へぇ、あの人にサインをもらう人もいるんだぁ」。他の大勢の人は大友さんの追っかけのようであった。それも分かるが今日に限っては逆だと思うのだが・・・
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