今日は驚きが2つあった。まずソリストの南さん。実はあまり期待していなかったのだが、考えが一変してしまった。凄まじいまでの存在感だったからだ。まだ10代というのになんという豊かでロマンティシズムを湛えた弾きっぷりか。P席で聴いたというのにすごい迫力で迫ってくる。もう1つの驚きはオケの変貌ぶりだ。ゴレンシュタインの手腕なのか?いままで京響で聴いたことないほどのロシアンな響き。特に金管と打楽器の扱いがそう思った。第2楽章はこの若さで考えられない哀愁に満ち満ちた弾きぶり。それに呼応する木管にも感心した。終楽章も圧巻。テクニックも表現も問題なくうまい。うーん、すごい逸材の出現かも。昨日聴いた木嶋さんとは全く正反対のスタイルなのが面白い。まだまだ粗削りなところも多いが、間違いなく今後の活躍を予感した激演だったと思う。
後半も言葉を失うほどのまさに名演だった。実はスクリャービンの2番は聴いたことがなかった(予習しようと思って注文したCDも結局2ヶ月経っても届かなかった)。昨日のリハーサルを見学したので大枠はつかんでいたが。。。それにも関わらずこの充実感は何? 絶えず鳴りっぱなしという音の洪水のような曲だが、各フレーズが丁寧に扱われていて、全く飽きが来ない。どのパートも活躍する曲であるのも楽しい要素だろう。その中でも、クラリネットとフルートの多くのソロ、華麗で伸びやかな金管は最大のポイントだと思う。どこも聴き応えは十分なのだが、やはり最終楽章の壮麗な響きは他の一流オケも真っ青なほどだった。全開の京響は久しぶり(1月定期も全開でしたけど)。
それにしてもゴレンシュタイン侮れません。リハーサルではかなり細かで神経質な指示を飛ばしてましたが、本番はそれらが高いレベルで昇華されて本気度が素晴らしかった。エキサイティングぶりは途中で指揮台のメガネを弾き飛ばしたことからも良くわかる(笑)。しかし、上品な京響からよくもロシアンなオケの音色を引き出したものだ。
今日のプログラムはユニークだと思っていたが、それ以上の感想を抱くことができてとても満足でした。今年の優秀演奏1番乗りですね!
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