マーラーの交響曲全曲演奏を聴くプロジェクトもついに完結の時が来た。1992年にヤンソンス指揮のオスロ・フィルで初めてマーラーの交響曲にふれて以来、10年の歳月をかけてようやく達成(第4番だけはアマチュアの演奏なので仮達成かな?)。
今日の大フィルは耳を疑うほど絶好調だった。弦の美しさといい、金管の伸びといい、いつもとは明らかに違う出来だったのだ。マーラーの冒頭の低弦のブ厚さから今日の成功を確信した。外山氏の指揮はいつも気にくわないところが多いのだが、今日は素直(?)な指揮だったのが良かったかな。しかし全曲にみなぎるこの緊張感。このシリアスで悲劇的な大作を緊張感を持って演奏するのは大変なのではないだろうか(第4楽章ではトランペットが死にかけだったが)。聴く方も緊張感を持って聴かなければならないので非常に疲れる。しかしヘンデルの演奏はあまりにもサラリとした演奏だったので半分近くは睡眠との戦いになったが、マーラーは目が血走るくらいに集中できた。美しすぎたのはやはり第3楽章か。このあたりは関西では大フィルに勝ることはできない領域か(層の厚さという意味で)。
見モノはやはり第4楽章で登場する「ハンマー」に尽きる。舞台袖からハンマーを持っておもむろに現れ、ハープの横の床に設置されていた1m四方ほどの板を強打! CDではなかなかよく分からなかったが、実際に目にするとなんだかこの曲の内容が少し分かった気になった。
しかし、記念すべき全曲達成を素晴らしい演奏で締めくくることができた。来年は京響で同じく第6番の演奏会がある。次に目指すは2度目の全曲達成だ(笑)。
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