久しぶりのMTT。初めて指揮を見たのが1993年だから、もう16年にもなる。さすがにMTTもかなり貫禄がついていて、頭もロマンスグレーでますますスマートでカッコいい。
さて、そんな貫禄の指揮者とともに演奏するのは若手のオーケストラ。いつも若さほとばしる痛快な演奏を聴かせてくれるので気持ちが良い。今日の1曲目はMTTの自作自演曲。独特のブラスの和音がバーンスタインを彷彿とさせるものだった。怪しいところがないこともなかったが、どうしてこれだけの演奏ができようか。即戦力になること間違いなしだ。
メインはマーラーの5番。3月に京響で聴いたときは、自分の集中力が足りなかったせいか、曲についていけなかったので、今日は神経を研ぎ澄ませて挑んだ。結果としては隅々まで楽しめましたが、良くも悪くも複雑な演奏でした。まず冒頭。トランペットは女性奏者で、今日一番の功労者だったでしょう。かなり緊張しているようでしたが、いい音色出してました。その後に続く弦楽器のアンサンブルには正直ドキッとしました。たっぷりと哀愁に満ちて歌うフレーズなので聞き入っちゃいました。管楽器と弦楽器の対称的な扱いに意味持たせてあるんだろうなぁ。そう思いつつ、第2楽章は間髪入れずに突入。MTTは時折ニヤリとするようなアクセントを入れる他は、どちらかといえば遅めのテンポでオーソドックスに展開した。
第3楽章からはオケの乱れが徐々に顕著になる。中間部の木管アンサンブルはヤバかったですね。軌道修正も効かずズレたままでした(汗)。第4楽章は第1楽章冒頭の弦のようによく歌ってましたので、このまま深みが出たら最強の演奏になろうかと思います。最終楽章はミスも連発でしたが、若さゆえの痛快なフィナーレだったと思う。今年のPMFは弦楽器以外、完成度がまだまだに思った。MTTの指揮は、きちんと意図が伝わる一流オケじゃないと真の楽しみ方ができないような、繊細な解釈に感じた。“MTTらしさ”も聴かれませんでしたしね。終演後もサイン会はなく足早に車に乗り込んでいた。窓から手を振ったら、合掌して「ゴメン」っジェスチャーをしてました。かなりお疲れの表情でした。。。
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