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昨年10月にとんでもない金額を出してベルリン・フィルを聴きに行ったが、今回はそのトップ奏者で構成される室内楽だ。私の目当ては、首席奏者になった時期以来応援しているクラリネットのフックス。プログラムもクラリネットを中心としたものになっているので聴かない理由はございません。
さて、最初のR.シュトラウスは「もう1人の」ティル・オイレンシュピーゲル。曲はおなじみのオーケストラ版ティル・オイレンシュピーゲルとほぼ同じなのだが、それをアンサンブル用に編曲したもの。それがなになに、たった5人(ヴァイオリン、コントラバス、ホルン、ファゴット、クラリネット)なのにオーケストラのような響きになるんだから驚き。ドールのホルンには頭が上がりません。
もっとものけ反る状態になったのがモーツァルトだ。これはもう事件といっても差支えがない至高の演奏だった。フックスのクラリネットにはおそらくモーツァルトか神が宿っていたことだろう。もはや楽器という域を超えた響きが大ホールを優しく満たす。常人にはできない吐息のような、ささやきのような弱音は超絶的だった。消え入るくらいの弱音なのに、しっかりと聴こえ、ホールを響かせる。物理的にありうるのか?という疑問すら覚えた。もちろんそれをサポートする弦楽四重奏も素晴らしかった。特にヴィオラは今まで聴いた中でも最上のものだったのではないだろうか。曲が終わるや否や破裂したかのような大歓声。これはまさしく事件でした。
最後は大好きなシューベルトの八重奏曲。この曲を演奏するために結成されたのがこの団体のいわれとのことなので、まさしくこの曲のスペシャリストなのだ。まぁ何の文句があろうかという演奏でした。この曲、以前ウィーン・フィルのメンバーで聴いたことがあるので、ウィーン、ベルリンの世界2大オケのトップ奏者で聴き比べをできたことは非常に貴重だ。どっちが良かったって?どっちも良いに決まってます(笑)。アプローチは違った気がしますね。ウィーン・フィルの方はドラマチックさを前面に出したエキサイティングな演奏だったと思うし、ベルリン・フィルの方は曲の内面をじっくりと歌い上げる大人な演奏だった。
いやはや、楽器がみな違うというのにどうしてここまで融合した音をつむげるのだろうか?誰1人飛び出るようなことはなく、まさに一体となった音楽でした。世界最高峰のオーケストラ、ソリストはどうも次元が異なるようです。すごいわ。。。
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