毎年恒例のびわ湖ホールプロデュースオペラ。今年はまたか・・・という感じですが「ラ・ボエーム」。そんなに多くのオペラを観てきているわけではないものの、「ラ・ボエーム」はこれで3回目。まぁ演出が異なると受け止め方も異なるから良いんですけど。
午前中の舞台見学会には参加できなかった上に、会場に着いたのが5分前だったため、空いている適当な席で観ることにした。ステージは閑散としており、開演前から雪が降り続いている。このような光景は一昨年の東京のオペラの森「エフゲニー・オネーギン」でも見たことがある。全体的にも似てたかな・・・
今回の演出は少し奇抜で、幕間の休憩なしのぶっ続け。つまり舞台のセット替えなんてのもない。そのために、冒頭の雪といい、カフェでの大騒ぎといい、舞台上は話が進んでいくたびにゴミだらけになっていく(ヨーロッパはゴミネタが多いようだ)。極めつけは第3幕の冒頭で主人公ロドルフォがドンチャン騒ぎで頭からジュース?をかけられたりするのだが、最後のミミが亡くなるシーンまでそのズタズタのままでいたこと。これってどうよ?
セットが替えられないという弊害は他のところでも感じるところがあった。初めに雪が舞っていたということは場所設定は「外」。しかし、物語は安アパートの屋根裏のはず。家の中だか外だか分からないシーンが多すぎで、初めて見る人には理解しがたかったのではないだろうか?大家さんが家賃を徴収に来るシーンで「地代」としていたところが、つじつま合わせだろうか・・・
面白い演出もあった。例えば、第1幕の宴会のシーンが分かりやすかったが、所々で出演者の動きが遅くなったりと待ったりしていた。これは「スローモーション」の表現だそうだ。スポーツ系のマンガでやたらとボールが飛んでいる時間が長いシーンと同じようなもの?そういう時間の使い方がユニークだった。
まぁ突っ込みどころ満載の演出だったが、さすがに3度目なので楽しめることは楽しめました。京響の演奏も文句ないし、沼尻さんの指揮も安心できる。ただ、昨年の「トゥーランドット」の演出があまりにも壮大だったので、今回のシンプル路線はちょっと肩透かしだったかな?
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