MMCKとはなにか?2001年から千葉の木更津郊外で行われている音楽セミナーのことだ。指揮者の大友直人氏とアラン・ギルバート氏が始めたものらしい。関西人にはなじみが薄いのだが、大友氏は京響の常任指揮者と言うことが縁なのか、京都でプレコンサートが行われた。
演奏は、センター・シティー・ブラス・クインテットを中心にした金管五重奏。久々にまともな金管奏者の演奏を聴くような気がする。アンサンブルホールムラタにも初めて足を踏み入れた。冒頭では大友直人氏が舞台に現れ、MMCKと今日の演奏についての解説をしてくれた。
初っぱなから素晴らしい演奏。さすがにアメリカンブラスだけあって、明るさが違う。オケで聴く金管とは奏法が異なるのか、実に活発で弾けるような音色であった。前半で素晴らしかったのはエヴァルドの金管五重奏曲。超絶技巧も甚だしく、聴く者を圧倒せざるにはいられなかった。凄まじいまでのタンギングなどはオーケストラの演奏ではさすがに出てくることは少ない。室内楽ならではの醍醐味だ。
後半は目玉演奏が目白押し。ポーギーとベスは自由活発にスウィングしており、ジャズよりのガーシュウィン演奏を楽しむことができた。最も観客を楽しませたのは、やはりバーンスタインだろう。「オン・ザ・タウン」は私が最も愛するバーンスタインの作品であり、思い入れは深い。目の前で繰り広げられるフレーズがもはや楽器ではなく、人間の声のように聞こえた。まさにミュージカルをコンパクトに再現しているようだった。もっと長い時間聴きたかった。「ニューヨーク・ニューヨーク」や「涙も涸れるわ」「料理も得意よ」などの名曲をちりばめた組曲は魅力満点だった。
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