職場で引っ越し作業があったため、会場には飛び込むように駆け入った。今日はこの冬一番の冷え込みだというのに汗だくのまま演奏会突入。今日のプログラムは世界初演曲があるとはいえ、実に地味な演目だ。しかし、テレビ放送があるらしく、何台ものカメラがステージに向けられていた。最初の曲は西村さんの「蘇莫者(そまくしゃ)」。雅楽や舞楽を基にしているために、ステージ上の半分は、四隅に赤い欄干をつけた舞舞台?が占めていた。舞台に向かって左側に木管、右側に金管と鐘、正面に弦楽器や打楽器という配置だった。元の曲やストーリーを知らないために、舞の意味すら解らなかったが、曲はいかにも雅楽を基礎にしていて普通ではない楽器の鳴らし方をしていて面白いものだった。笛や笙、篳篥の音をよく再現してるなと(クワイア席だったので見えなかったが、本当に雅楽器があったのかもしれん)。ちょっとクドイくらいに展開が遅い曲で、やたらと高音が耳についたため騒がしく感じた。個人的に好みだったのは第3曲かな? 変わったリズムで打楽器の活躍が面白かった。
後半の地味なフランクの交響曲は、予想に反して、思い切りよく鳴らす壮大な演奏だった。頭が揃わなかったり、キンキンと耳につくフォルテシモだったりしたが、なかなかの聴き応えがあった。メロディは美しいが、いまひとつ花がない曲なのだが、沼尻さんの指揮は早すぎず遅すぎず、それでいてメリハリをつけた濃い味付けだったのが良かった。こういう曲をしっかりと聴かせてくれるセンチュリーの充実振りにも目を見張ります。テレビ放映があるのならまた復習できるので、放送が楽しみだ。
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