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2008年7月28日 ヴェンツェル・フックス クラリネットリサイタル
(いずみホール)

演奏曲目および評価

シューマン:幻想小曲集 作品73
ドビュッシー:クラリネットのための第1狂詩曲
ウェーバー:大協奏的二重奏曲変ホ長調 作品48
ミヨー:協奏的大二重奏曲 作品351
ブラームス:クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調 作品120-2

演奏者(指揮者・ソリスト)

クラリネット: ヴェンツェル・フックス
ピアノ:松山元

感想・短評

久々のフェニックスホールだ。なかなか室内楽の演奏会に足を運ぶことがないからだけど。いつ来ても、ロビーや通路に飾られているギアマンの絵画が素晴らしくてみとれてしまう。これだけでもかなりの価値があるもんだとつくづく思う。

さて、今日の演奏会は最もお気に入りのクラリネット奏者の1人である、ヴェンツェル・フックス。言うまでもなく、カール・ライスターのあとを引き継いでいる、ベルリン・フィルの首席クラリネット奏者だ。10年前にベルリン・フィル大阪公演で聴いて以来だから、かなりのご無沙汰なのだ。また、オケでしか聴いてないから、ソロ演奏がどんなものだか楽しみだったのだ。

プログラムは馴染み深い曲が並ぶ。どの曲も自分で演奏できるようなものではないが、勉強するつもりで挑んだ(笑)。1曲目は、早速お気に入り曲の「幻想小曲集」。フックスさんって、こんな演奏する人だったかな?というのが正直な感想。ピアニシモの繊細な表情や、超絶的なテクニックは素晴らしいが、ずっと苦しそうに吹いている(もちろん苦しいのだが)。おまけに息の抜ける音?がすごく耳につく。時折咳をしていたので調子がよくなかったのかもしれない。そのためか、変なところで息継ぎをしていたような箇所もあった。その他の曲も出来はそれほど変わらないように感じた。やっぱ調子悪いのか? 原因の1つはピアニストにもありそうだ。どうも噛み合ってなくて、お互いが背中を向けて演奏しているようにさえ思ったほど。

休憩後の後半は、友人と場所を変わって、最前列で鑑賞することに。指の動きや息の使い方などよく勉強できました(全然習得できないけど)。お気に入りのミヨーはテンポ速かったので、もう少しメルヘンチックに演奏してもらいたかったが、ブラームスは秀逸だった。ようやく本領発揮といったところか。ドイツ式クラリネットの奥深さを間近に体験できたことは貴重でした。今年の秋のベルリン・フィル来日公演での活躍も期待したい。

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