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2007年6月9日 兵庫芸術文化センター管弦楽団
第11回定期演奏会(兵庫県立芸術文化センター)

演奏曲目および評価

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第3番 ニ短調
シベリウス/交響曲第2番 ニ長調


演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ:及川浩治
管弦楽:兵庫芸術文化センター管弦楽団
指揮:佐渡裕

感想・短評

佐渡さんの指揮による人気プログラム。にもかかわらず、今日の演奏会は行く足が重かった。なぜなら、結構聞き飽きてるんですよね、このプログラムって。。。しかし、コンサートが終わっての感想を先に述べると、なかなか充実した力演で面白かったと思います。気が進んでなかったのにねぇ(笑)。

まずはラフマニノフ。毎度感じるのは、及川さんのピアノがアグレッシブで見ごたえがあるということ。今日の演奏もかなりエキサイティングでした。ピアノの音色にこそ深みや流麗さが感じられなかったけれど、聴衆をひきつけるパワーは十分にあります。何しろ凄まじく鳴らす!スゴイ。それに引き換え、オーケストラの方はラフマニノフらしい表情付けには至っておらず、ピアノに合わせるのがやっとという感じを受けました。ピアノもオケもバランスが良くて心地よかったのは第2楽章。そして、第3楽章のフィナーレは圧巻でした。明らかに燃え上がるピアノとオケ。佐渡さんもチェロの譜面台を突き飛ばすエキサイトぶり。挙句の果てには、最後は椅子を蹴散らす形で及川さんが豪快に鍵盤をブッ叩いて立ち上がった!いやー、やりすぎな演奏は見ていて面白かったです。ショパンのノクターンをアンコールで演奏してくれたが、ラフマニとは異なる性格のピアノの調べは実に心地よかったです。

さて、後半はシベリウス。この曲は第4楽章の雄大なメロディが有名だが、意外にもあっさりした演奏が多い。しかし、今日の佐渡さんは違いました。しつこいくらい朗々と歌い上げてくれました。さすが、バーンスタインの弟子だ! 第1楽章から音をあまり抑えず、フォルテ状態でガンガン進む。その状態がそのまま最後まで続くんだから騒がしいシベリウスだ。第4楽章の壮大感は凄まじく、マーラーの交響曲の終曲を聴いているかのよう。超スローテンポで大交響曲を演じてくれました。こんなシベリウスは聴いたことがない。佐渡さんじゃなかったら「やりすぎ」で訴えられるくらいだ。

ラフマニノフの及川さんに、シベリウスの佐渡さん。2人のやり放題な曲を聴いて、今日の演奏会に足を運んで良かったと思います。これぞライブの醍醐味です。

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