ついにベートーヴェン・チクルスも最終日。最後は第九ではなく「ミサ・ソレムニス」というのがミッキー流。個人的にはその方がうれしかったりする。
冒頭はオルガンがフライング気味で始まり、ちょっと中途半端な出方だったかな? 合唱はいつもながらに上手くて期待通りの活躍でした。4人のソリストも声量があり聴きごたえ十分だったのがうれしいところ。ソプラノは音程が上がりきらず、テナーは上擦り気味だったが気にならないレベルか。問題はオケの方だろうか? 決して悪くなかったのだが、何が足りないのだろう? 広がり感がなく荘厳さに乏しかった。それでいて解像度が高くないので、メロディが若干捉えにくかった。これはホールのせいもあるかな? オルガンの低音が強く響いていたために聞き取り辛かったというのもある。もともと祈りの表情に乏しい曲だと思うが、祈りも荘厳さも感じない素朴すぎる演奏だったように思う。過度な期待もあったのだが。。。
そんな中、最も素晴らしかったのが第4曲「サンクトゥス」。ここは一番の聴きどころであるヴァイオリンの美しいソロがある。コンミスの四方さんはソリストとして立って弾いていた。まるで、ヴァイオリン協奏曲のように。ホールに清々しく響く音色には本当にうっとりしました。クラリネットと声楽四重唱も相まって幸せな時間が流れた。
感動的に終結を向かえる曲ではないが、曲の最後をあまりにもあっさりと切ってしまったのはモノ足らなかったかな? しかし、客も客だ。いくら宗教色が薄いとはいえ、拍手が早すぎる! まだ指揮者が手を下ろしてないやん。こういう曲は終わった後も教会の鐘が鳴っていることを想像して余韻を楽しむものだ。なんとなく歯切れの悪い終わりだった。
第九の演奏がなかったにしても、ベートーヴェンの交響曲を連続して聴ける機会があったことはとても貴重だった。立て続けでなくても構わないが、このようなシリーズとして演奏会を各団体とも企画して欲しいと強く思った。
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