なかなか意欲的なプログラムなので、ちょっと楽しみにしていた公演。最初の「クラッシング・ツイスター」は残念ながらいまひとつ掴みどころのない曲だった。楽器の配置がユニークで、オーケストラを左右と中央の3つに分割したほぼ左右対称な布陣。パンフレットをみていると、DJのスクラッチにヒントを得たようなことが書かれていたので立体的な音響を期待していたんだけど、普通に「現代音楽」やった。
あまりにも配列が異なっていたので、10分間の休憩のあとショスタコーヴィチ。木嶋さんは久しぶりだ。まだ、デビューしたての時に演奏を聴いたことがある。その後の成長が楽しみだった。冒頭の音色を聴いた瞬間に、以前とは比べ物にならないほどだと感じることができた。何しろ張り付くような魅力的な低音を奏でていたから。相変わらず細いのは仕方ないが、たっぷりと歌っていたと思う。ただ、いつもオイストラフの快演をCDで聴いていたので、もの足らないのは否めなかった(比べるなって?)。オケも特に特徴がなく、終始淡々と進んで行ったので、まさに睡魔との戦いでした。第4楽章ではかなりノリが出てきていい感じだったが、ボリューム感がもっとあればなぁ。
アンコールで、バッハの無伴奏バイオリンソナタ第1番より第1楽章を演奏してくれたが、まだまだ経験が必要だなと偉そうに思った(笑)。
後半は「火の鳥」全曲。てっきり組曲版だと思い込んでいたので嬉しい誤算だった。しかし、こちらもこれという特徴はなく印象的にさは「淡々と」したものだった。はっきり言って弦楽器のボリューム感がない。これは弦楽器の響かないホールのせいもある。それでいて金管はとても目立つ。さらにPACは木管に弱いというのもある。それらの条件が重なってしまうと味気ない音楽になってしまう。奇しくも午前中に京響の練習見学に行っていたので、完成度の高いオケとどうしても比較してしまうのだった。ま、それでも、曲としては十分楽しめましたけどね。
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