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明日は1月17日。あの忌まわしい阪神淡路大震災から15年となる。兵庫県内では数多くの祈念行事が行われるが、15日〜17日のPAC定期公演もその一環だ。注目度が高いこともあり、3日間ともに完売の公演となっている。そのプログラムはズバリ、ヴェルディのレクイエム。そんじょそこらのレクイエム演奏とは一線を画していることは明らかだ。
舞台上は全員黒の衣装を身にまとい、鎮魂の雰囲気がヒシヒシと伝わってくる。佐渡さんも思いを込めて、ゆったりとした沈んだ歌い始めだった。PACが合唱曲をするときはいつもなのだが、合唱団のレベルは非常に高い。かなり練習を積んできていることがよく判ってとても安心感がある。この曲の印象的な箇所は、何度となく登場する「ディエス・イレ〜怒りの日」の旋律だが、佐渡さんはハイテンポで嵐のような怒りっぷりだった。2階バルコニーの両側の客席にファンファーレ隊を配置した立体的音響はライブの醍醐味だ。しかし、もともと地震とは関係ないテキストとはいえ、全てのフレーズが意味深に思えてしまい、身震いさえ覚えた。
そして、レクイエムの山場と言えば「ラクリモサ〜涙の日」だ。まさに涙なしでは聴けない曲だが、今回の公演の趣旨を思うと一層感情が揺れ動く。会場のあちこちからすすり泣く音が聞こえてきた。アメちゃんの包みをジャラジャラ音をたてる腹立たしい輩もいましたが。。。それにしても、演奏のレベルが高いぞ。PACもしばらく来ていなかった間にかなり成長しているようだ。特に木管の安定感は格段に良くなっていた。合唱、オケの出来がよいだけではなく、ソリストの活躍も目を(耳を?)見張るものだった。とくにソプラノの並河さんは絶好調とも思える素晴らしい歌声で歌いきった。ここまでウマイとは正直思わなかった・・・。
フライング拍手もなく、沈黙のまま曲は幕を閉じたが、レクイエムの後でなんとアンコールが演奏された。それもバーンスタイン・・・
バーンスタイン/「キャンディード」より“Make our garden grow”
普通であればとんでもない選曲とも思えるのだが、今年のオペラ公演の宣伝とはいえ、歌詞の内容が実に今回の趣旨に合っていた。鎮魂で演奏会を終えるのではなく、未来への希望を持って終わるという佐渡さんの粋な計らい。今回の記念公演の意義深さを強く感じる出来事だった。
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