なんと、1年ぶりとなる京響。そんなに行ってなかったか? 今日はノリピーのピアノも聴けるし、ローマの祭も聴けるということで魅力的なプログラムのはず。しかし、会場は5〜6割しか埋まらなかった。京響もピンチなのだろうか・・・
まず最初はメンデルスゾーンから。久々だったからだろうか? とても充実した演奏を聴かせてくれた。特に弦が来るたびにブ厚くなっているのはうれしい限り。ただ、聴いた場所が悪かったのか、音がこもりがちであまり鮮明に聴くことができなかった。指揮はオーソドックスであったが、軽快な音楽づくりには好感が持てた。これも場所のせいなのかも知れないが、木管がいつものような調子ではなかった気がするのが唯一の心残りか。
モーツァルトは何と言ってもノリピーの素晴らしさに尽きた。1音1音が珠のように美しく聞こえてくる。しかも均一で流れるような演奏だった。オケの方は遠慮気味で伴奏に徹すると言った感じで面白味には欠けたものの、素直で良かったと思う。第2楽章は非常に単調なところだが、美しく心和む演奏であった。
圧巻は何と言ってもローマの祭。舌を巻こうにも巻き足らなかったくらい。嵐、稲妻、地響きとともに燃え上がる京響に会場全体が白熱していた。これ以上は望めないほどの熱演となった。非常にゆっくりとしたテンポで曲を進めるデローグ。それがこの曲の不気味さ・激しさをいっそう強めることになり、壮大なスケール感を出していた。また8本のうち4本をパイプオルガン横の上部席に配置した立体音響も効果抜群。ピアノ、オルガンを含めると14人もの打楽器陣を配置(もちろん楽器数はそれ以上となる)していたところも迫力あり。終盤は熱狂を通り越し、会場全体が火だるま状態。眼前に広がるのは楽器を強打・強奏する炎に包まれた楽員たち。フィナーレは起伏が激しく、すさまじいほどの推進力で曲を畳み込んだ。海外のオケのパワーとは異なるものの、ホールがブッ壊れんばかりの大音響に日頃のストレスが消し飛んだ。
聞いたことがない指揮者だったが、このスケール感をまた別の曲で再現して欲しいと切に思いながら、放心状態で会場をあとにしたのでありました。
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