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2006年9月17日 京都市交響楽団
第10回 京都の秋 音楽祭 ミュージック・フリー(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

【第1部】オープニング〜ベートーヴェンはいかが
  ベートーヴェン  交響曲第7番

【第2部】オルガンのひととき〜sideA クラシック
  J.S.バッハ  前奏曲とフーガ ト長調 BWV541
  ヴィエルヌ  24の小品集からNo.5前奏曲
  デュボワ  トッカータ ト長調

【第3部】ドビュッシーへの誘い
  ドビュッシー  12の練習曲

【第4部】チェロイズム
  ポッパー  ハンガリー狂詩曲
  サン=サーンス  白鳥
  サン=サーンス  アヴェ・マリア
  カッチーニ  アヴェ・マリア
  カサド  親愛なる言葉
  フォーレ  夢のあとに
  ピアソラ  タンティ・アンニ・プリマ
  ピアソラ  リベルタンゴ

【第5部】オルガンのひととき〜sideB ポピュラー
  パクストン  神をたたえよ
  スミス  セレブレーション
  スミス  フルートのアリア
  クーリー  主のつわもの
  ディズニー・ファンタジー
    メンケン  ホール・ニュー・ワールド〜アラジン
    メンケン  ビューティ&ビースト〜美女と野獣
    プレンティス  王様の誕生
    エルトン・ジョン  愛を感じて〜ライオン・キング
    ヤング  悲しいアリア
    エルトン・ジョン  サークル・オブ・ライフ〜ライオン・キング

【第6部】クロージング〜オペラの饗宴
  ヴェルディ  歌劇「運命の力」より序曲
  ヴェルディ  歌劇「運命の力」より“神よ、平和を与えたまえ”
  マスカーニ  歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲
  ビゼー  歌劇「カルメン」より“聞かせておくれ、おふくろの話”
  プッチーニ  歌劇「マノン・レスコー」第3幕より間奏曲
  プッチーニ  歌劇「トゥーランドット」より“誰も寝てはならぬ”
  ヴェルディ  歌劇「アイーダ」より“凱旋行進曲”

 

演奏者(指揮者・ソリスト)

【第2部】オルガン: 原田 恵
【第3部】ピアノ: 上野 真
【第4部】チェロ: 古川 展生、ピアノ: 近藤 亜紀
【第5部】オルガン:柴田 操
【第6部】ソプラノ: 福住 恭子、テノール: 小貫 岩夫、合唱: 京響市民合唱団
【第1部・第6部】
  管弦楽: 京都市交響楽団
  指揮: 大友 直人

感想・短評

今年もやってきました。ミュージックフリー。6時間もの長丁場の演奏会だが、全席自由と言うこともありちょっと早めに出かけた。まぁ何てことはなく、いつもの定期演奏会なみの観客だったので座席にはまずまず余裕があった(本当は満席になるくらい盛況であって欲しいんだけど)。普段は座ることのない1階席の良さそうな場所を陣取って聞くことにした。

金管奏者5名ほどによるファンファーレで幕開け。大友さんの挨拶に続き、京響による演奏でスタート。長丁場の演奏会だからか?定期直後の演奏会だからか?軒並み首席奏者がいないメンバーだった。だからと言うわけではないが、あまり深みのない平坦な演奏だった。大友さんの指揮がオーソドックスだったこともある。ムントの指揮による燃えたぎる演奏を思い起こしてしまい、物足らなかった。しかし、それ以前に演奏に全く集中できなかったのが、隣に座っていたオヤジ。演奏開始早々、寝息を立てて爆睡。おまけに酒くさい・水カビくさいと来た。演奏会気分ブチ壊しである。その割りに休憩時間にはしっかり起きて読書している(腹立つ〜)。

続いてオルガンの演奏。ヴィエルヌはフランスらしくかわいい曲で結構好きだった。デュボワはほとんどのストップを使うほど幅の広い曲らしく、華麗でオルガンの様々な音を堪能できたと思う。

隣のオヤジが迷惑極まりないのと、1階席の音響が好きではなかったので2階バルコニー席に移動した。こちらは視界も良く、音響的にも広がり感があったので席を変わって正解だった。次のプログラムは聴いたことのないドビュッシーの練習曲だったけれど、上野さんの演奏がやたらと上手くて釘付けになってしまった。タッチが正確だというだけでなく、とても音が揃っていて流麗だった。ドビュッシーのピアノ曲というと退屈な感じがするのだが、自然に流れ出る音楽に素直に身を任すことができた。あまり期待していた訳ではなかっただけに嬉しい誤算だった。3階席のバルコニーでは大友さんが腕を組んで聴いていた。

一度コーヒー休憩を入れてから古川さんのチェロを堪能した。いつ聴いても華がある演奏家です。体の一部であるかのように楽器を操っているのがスゴイです。どの曲も楽しく聴けたのだが、本人が好きだと言っていた、サン=サーンスのアヴェ・マリアが特に美しく響いていた。ひとつだけ注文をつけるとしたら、伴奏のピアノが少し目立っていたので、もう少し抑えて欲しかったことくらいか。3階席のバルコニーでは聴いていた大友さんも人材として欲しそうな眼差しで見つめていた(笑)。

続いてはまたもオルガンの演奏。今度は舞台真ん中に演奏台(何ていうんだろ?)を置いて、遠隔操作での演奏だった。両手両足の動きを見せたかったのかな? 曲は華やかなものばかりでした。

さて、いよいよ最後は、再び京響の登場。でもやっぱり首席奏者不在のままだった。それでも「運命の力」はキリリと引き締まった快演。速めのテンポでグイグイ引っ張る大友さんは良かったです。こんな感じで最初のベートーヴェンも・・・と思ってしまったのはダメかな? 他の曲は、いつもの京響とは違う物足らなさ?を感じたが、華麗なオペラの場面を演出するには十分。「カヴァレリア・ルスティカーナ」では薄すぎない、濃すぎない、絶妙なロマンティシズムあり、「トゥーランドット」では聴き飽きた感のある名アリアを存分に歌いまくってくれたし、純粋に楽しめました。アンコールもお決まりの曲で良かったです。

  ヴェルディ  歌劇「椿姫」より“乾杯の歌”

6時間といいながらも、あれよあれよという間に過ぎていった演奏会。肩を張らず、のんびり音楽を楽しむにはとても良い企画だと思います。あとは、もっと観客を増やすことかな(大物を呼ぶとかではなくね)。

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