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2007年2月18日 京都市交響楽団
第497回定期演奏会(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

シベリウス
  組曲「カレリア」 op.11
  交響曲第7番 ハ長調 op.105
  ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
  交響詩「フィンランディア」 op.26





演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン: 諏訪内晶子
管弦楽: 京都市交響楽団
指揮: 井上道義

感想・短評

このところ京響の演奏会はお客さんの入りがよいが今日は格別。チケットも早々に完売するほど注目されていた。それはいうまでもなく諏訪内さんがソリストで登場するからだ。諏訪内さんを聴くのは今回で5回目。大好きなシベリウス演奏なので期待は大きい。

オールシベリウス・プログラムはムント時代の1999年以来ではないだろうか? 「カレリア」はムントの時とはかなり異なり、とても良い演奏でした。ミッキーらしくないスローテンポで、どこか京風なシベリウス。北欧の情景は思い浮かばなかったが、繊細で可愛らしい曲作りだった。非常に優しいイメージを持って聴くことができた。特に第2曲は弱音にもかかわらず広がりのある響きで聴き惚れました(^^; 京響ほどピアニッシモを美しく表現できるオケは日本にはないと思うくらいです。本当に端正なカレリアでした。

交響曲第7番はとても完成度の高い演奏でした。コントラバスを後方横一列に配置していたのが効果的だったのか、シベリウス的な大地の響きを感じました。ここでもミッキーは勢いに任せることなく、緻密に曲を構築していた。シベリウスの交響曲の中でも最も崇高な印象のあるこの曲。各パートが有機的に結びついて充実した響きに浸ることができました。う〜ん、素晴らしい。

さて、今日のメインディッシュは諏訪内さん。シベリウスのヴァイオリン協奏曲は、これまでいろんな演奏を聴いてきましたが、今日の演奏はこれまでのベストでした。何がスゴイって、引き寄せられるような説得力のある演奏なんです。そんでもってボリュームは十分。オケがしっかり鳴っていても全く引けを取りません。聴き慣れているだけに、普通の演奏では満足がいかないのだが、諏訪内さんのヴァイオリンはとても色っぽく、艶めかしいまでに生きた音色で、最もお気に入りの内容でした。ほんと、何も文句の付けようのない演奏でした(ちょっとオケが重いかな〜っと思ったくらいか)。

盛大な拍手に応えて、アンコール(J.S.バッハ ラルゴ)を1つ。こちらも吸盤のように吸い寄せられる演奏でした。   

最後は力強く、フィンランディアで締めくくり。いつもほどではないが、ミッキーのネチネチした指揮はようやくこの曲で出た。比較的素直だったけれど、こういうプログラミングもありなんだなぁと思った。今日の演奏会は3月にNHK-FM「FMシンフォニーコンサート」で放送されるようなので、復習をかねてもう一度楽しみたい。

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