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2007年9月16日 京都市交響楽団
第11回 京都の秋 音楽祭 開会記念コンサート(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調 op.104
ショスタコーヴィチ/交響曲第5番 ニ短調 op.47


演奏者(指揮者・ソリスト)

チェロ:古川展生
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:高関健

感想・短評

これまでは京都コンサートホール友の会の特典として招待されていたのだが、今年からは有料のイベントとなった(昨年は未実施)。とはいっても全席1000円という破格の入場料なので行かないわけない。

指揮者は京響には少し珍しい?高関さん。大阪センチュリーの常任時代に聴いて以来なので実に楽しみにしていた。1曲目は古川さんを迎えて、ドヴォルザークのチェロ協奏曲。相変わらず京響の木管セクションはウマイ。それに加えて今日は弦楽器の厚みが素晴らしく、このような曲にはピッタリ合っている音色になっていたと思う。ただ、少し重すぎる感も否めず、第1楽章はもたつきが見られた。古川さんは相変わらずスタイリッシュな演奏で楽しめたが、ミスも多いのよね、この人は・・・しかし、京響もソリストに気遣うこともなく強く鳴らしていたのは好感持てました。そして、聴き所は何といっても第2楽章のチェロと木管との融合。京響の木管だからこそできうる技というものです。おおむねいい演奏だったと思います。

後半はショスタコーヴィチの「革命」。実はいい加減この曲を聴くのは飽きてきている。ショスタコーヴィチは15曲もの交響曲を書いているにもかかわらず、演奏会で取り上げるのは8割方この第5番だからだ。京響で聴くもの3回目。しかし、今日の演奏は過去に類を見ないほどの素晴らしいものだった。何しろオーケストラのバランスがすごく良い。そんでもって縦がしっかり揃ってる。弦楽器だっていつもの細さは感じられず、重量感があって威厳があった。木管はいうことないし、金管もホルンの不安定さを除けば海外オケにも負けないほどの威圧感があった。もちろん打楽器はいつもながらに機動力に長けているだけでなく、ティンパニのズシリと来る衝撃はいつもと違うものがあった。第2楽章冒頭の低弦はビックリするくらいの迫力だし、第3楽章の緊張感はピーンと張ったままだし、第4楽章はまったく揺るぎない安定感があったし・・・ 何も文句ありません。こういう演奏は本当に珍しいくらいだ。

これらは高関さんの手腕によるところも多いと思う。全く正攻法の解釈なのだが、的確な指揮は見ていても分かりやすかった。う〜ん、高関さんと京響の組み合わせは地味だが良いかも。

本編だけで大満足だったのだが、サービスよくアンコールまでしてくれた。これがまたなかなかの力演で、高関さんとショスタコーヴィチの相性の良さが浮き彫りになっていたと思う。参りました。

  ショスタコーヴィチ/バレエ組曲「ボルト」より“荷馬車引きの踊り”

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