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今回は大曲(花火大会ではない)のプログラムなのに満員ではなかった。確かに少しマニア好みの曲目ではあるのだけど・・・。
1曲目は須川さんのサックスによる協奏曲。グラズノフはあまり聞いたことないが、メロディが豊かで聴きやすい曲だったのはちょっと意外だった。須川さんは言うまでもなくウマイ上に、暖かくて柔らかな音色は、サックスが木管楽器だということを強く印象づけてくれた。指揮者の沼尻さんは京響初登場なので今回特に期待していた。明確でしなやかなタクトは素晴らしいが、終始楽譜を見続けていたのは沼尻さんらしくなかったかな? 須川さんはアンコールを1曲披露してくれた。
スコットランド民謡/美しいドゥーン河のほとりにて
さぁ、後半は初体験の大曲、ショスタコーヴィチの8番だ。この曲は別名「戦争交響曲」といわれるため内容はかなり重い。CDで初めて聴いた時は、悲劇、戦争、重圧、緊張、嘆き、苦しみ、悩み、悔しさ、諦め、混沌・・・など、マイナスなイメージしか感じられなかったが、何か自分の心に響くものがあった。まぁ、いろいろと悩みが多いから共鳴する部分があったんでしょう・・・。個人的な話になってしまったが、イメージに違わない、非常に危機感の高さを表出させた「爆演」となった。
第1楽章から、本気モードで突入。弦楽器もいつもより音色が深い(大地を揺るがすほどではない)。しかし、いつもの金属的な高音はこういう曲には意味深に響く。クライマックスの5回にわたる強大な頂点は崩壊することなく大音響でホールを満たした。久々に鼓膜が振動するほどの強烈な音を聴きましたわ。もちろん大音響がスゴく良かったと言うのではなく、その後に続くコールアングレのソロや、終始奮闘していたピッコロやSクラの大活躍は外せない。
圧巻だったのは第3楽章だと思う。冒頭からヴィオラセクションの熱気が凄まじい! 戦線が迫ってくる緊張感が怖いほどに伝わってくる。どのパートも精密機械の様に噛み合っていたのが素晴らしい。この辺は沼尻さんの実力全開といったところか。沈着冷静な人だと思っていたが、タクトは激しくて熱い。ショスタコーヴィチ、沼尻さん、京響が三位一体となった結果なんだろう。
この長い大曲も、高い緊張感のおかげであっというまに終楽章になった。もちろん全くダレることもなく。それどころか、鎮魂歌のごとく静かに終えるのだが、曲が終わっても、指揮者が手を下ろしてもなかなか拍手が起きなかった。京響(特に関西のオケ)では珍しい光景に驚いた! それだけスゴかったということか?!
爆演に加えて素晴らしい余韻。数少ない真夏の演奏会を最高の形で体験することができて本当に良かった。
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