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2009年10月3日 かんでん クラシック イン 京都
(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

メンデルスゾーン/フィンガルの洞窟 序曲
メンデルスゾーン/ヴァイオリン協奏曲 ホ短調
チャイコフスキー/交響曲第6番「悲愴」



演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン:玉井菜彩
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:高関健

感想・短評

恒例の「かんでんクラシック」。いつも低価格で聴ける割に、あまり宣伝されていないので見逃すことの多い公演。。。今日はよく入ってました。プログラムはありきたりなものだが、「悲愴」は毎回名演を聴かせる京響なので何度聴いても飽きない。高関さんの指揮にも注目なのだ。

前半はメンデルスゾーン・イヤーの曲目。「フィンガルの洞窟」は実は初めて聴く。CDを含めても聴いたことがない(笑)。残されたメジャー曲やなぁ。。。低弦を中央に構え、洞窟の冷ややかな雰囲気が出ていて清々しい演奏でした。ちょっと高音のノイズが耳に障ったので、もう少し柔らかくても良かったかも。

続くヴァイオリン協奏曲は驚くほど淡白なものだった。冒頭は聴いたことないほどハイスピード。玉井さんは見た目は細くて清楚だが、演奏の方も同じでした。個性的なバイオリニストばかり最近聴いていることもあるのだろうが、もの足らなさは格別でした。もちろんテクニックはあるし、清々しい音色なんですが。好みな弾き方ではなかったのだろう。この曲は「嫌い」な方なので、ネチッコイのは好きではないが、ここまであっさりされるとエモーショナルな演奏が聴きたくなる。矛盾してるかな? 序曲も同じだったが、満足できたのは、クラリネット・デュオによる心安らぐ絶妙な和音だ。オーケストラは京響らしくなく、無難にこなしているようだったので余計に光っていた。

後半は「悲愴」。京響では過去に名演を聴いているので、十八番ともいえる曲だ。前半と同じく幾分速めのテンポでさらりと進んでいく。第1楽章と第2楽章は京響らしさが息を潜め、何となく乗りきれてなかったように感じた。もちろん、ファゴットやクラリネットは素晴らしい働きでしたよ。第3楽章以降はようやく持ち味が炸裂。軽妙なリズムの第3楽章は聴いていて実に心地よい。客層が客層なので予想はしていたが、案の定、第3楽章のあとで拍手が起こった。まだ学習してないか・・・と思ったが、注目すべきは高関さんの行動だった。拍手が起きても指揮は止めたまま。拍手が止まなかったので仕方なくではあるが、一旦間を空けた。強引に第4楽章に突入する指揮者も多い中、ちょっとしたことだが、拍手の長さを判断して臨機応変に対応したのは、さすがだ。集中も切れることなく第4楽章は緊迫したシャープな演奏で満足できました。過去の名演には及ばないまでも、京響はチャイコフスキー得意ですね。一度チクルスやってもいいかもしれない。

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