比較的マニア好みのするプログラムかな?こういうのはいい感じです。今日の聴きモノは指揮者のシェハタだろう。コントラバスとしてミュンヘン国際コンクールを制し、ベルリン・フィルを始めとした主要オケの首席奏者を歴任してきたというのだからタダモノではない。才能をもてあましているのだろう。すごい。
最初はリスト。残念ながら聞き覚えのない曲だった。終始勇ましく、ちょっと脳天気な感じのする勢いのある曲だ。シェハタの指揮は切れ味が鋭く(というより、指揮棒を突き刺していたが)、キビキビとして勇ましいのが爽快でよかった。ただ、曲も曲なのだろうが、全体的に強弱に乏しく、鳴らす一方で一本調子なのは平面的な印象を受けてしまう曲でした。
2曲目はチャイコフスキー。こちらも同様な印象かな?やはり強弱がないというか、ピアニシモでの抑制を使って緊張感が欲しいところだ。メゾフォルテ?と思うほどの大きさで演奏するもんだから、劇性にも乏しくなってしまう。木管なんかは弱音を大きく出すから、強音のときは相対的に力任せになってしまいアップアップに聞こえました。文句ばっかり言うものの、スピード感は素晴らしく、痛快な演奏ではありました。オケのポテンシャルが高いからなせる技なのでしょう。いやー、しかし、ティンパニの中山さんは最高!早く京響に来てくれないかな?
後半はドヴォルザーク。7番というところがちょっとだけマイナーで素晴らしい。前半の勢いそのままに、相当熱い演奏でした。今日の弦楽セクションは燃えさかってましたねぇ。聞いていて疲れるほどの本気度でした。この勢いでブラームスでもやったら相当良い演奏ができそうな感じの好演だった。終楽章では勢い余ってアンサンブルが乱れるところがあったものの、そんなのはノープロブレム。終始フォルテシモで突っ走っていたが、フッと突然ピアニシモに落としたところにクラリネットが浮き上がってきた箇所は、わざとらしいが良かったです(笑)。そういう仕掛けをもっと欲しかったかな?フィナーレ部分だってもっとトランペットが主張するべきだとも思ったのだけど。こんなのは贅沢と言うものでしょうか?いやいや、大充実の演奏でした。
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