まだ紅葉前の京都だが、寒くなったり暑くなったり忙しい。今日の午前中は、京阪大津線に走っている「けいおん!電車」を撮影に行ってそれなりに汗をかいた。そして午後が京都コンサートホールで京響の演奏会だ。定期公演ではなくロームミュージックファンデーション創立20周年記念の演奏会だからというのもあるのだろうが、指揮者は元オーボエ奏者の宮本さん。ちょっと不安はあったが、曲目は良かったので足を運んだ。
さて、宮本さんはオーボエ奏者として輝かしい実績を残しているが、指揮者としての活動はまだまだ浅い。それどころか、指揮の経験もあまりないのでどのように絶好調の京響をドライブするのかが聴きモノである。始めはR.シュトラウスの「バラの騎士」組曲。この曲は大好きなので、今年は大フィルでも聴いている。演奏方法にしきたりがあるのか知らないが、指揮台に上がるや否や唐突に曲に突入する。ちょっと速めのテンポかな?しかし、タクトが曖昧なのか?オケが揃わず、ミスもポロポロ聞こえた。なんかいつもの京響の歯切れ良さが聴かれないんだよなぁ。テンポを大きく揺さぶるものの、どのフレーズもウソっぽく聞こえる。そういう聞き方をしてしまうからなのかもしれないが、どうも素直に耳に入ってこない。フィナーレ部分は京響らしい痛快なものだったが、存分には楽しめなかったかな?
2曲目は熊本さんのピアノが入っての「死の舞踏」。この曲はベルリオーズの幻想交響曲で使われているフレーズなので、どうしてもそのようにしか聞けないが、まぁまぁ悪くない演奏でしたが、あんまり印象には残ってません。熊本さんのピアノは武骨なので曲には合ってましたが。
「7つのヴェールの踊り」は好きな曲ですが、オペラの鬼気迫る情景が思い浮かぶほどではなかったものの、ほとんど宮本さんがサロメになっちゃったんじゃないかというほどの表情がドラマを物語っていた。入れ込みすぎ?指揮じゃなくて演技だった?
最後も熊本さんが登場しての「ハンガリー幻想曲」。曲の始めくらいから何やらチェンバロみたいな変な音がピアノから聞こえた。あとの熊本さんの話では、ピアノの弦が切れたとか。あるんですね。それを聞き逃さなかった私もすごい?!
全体的に言えたのは、宮本さんの指揮はまだオケをドライブするといったところまでは行ってなくて、聴いて指揮をしているような印象があった。なのでタイミングも悪く、もたつき感を感じたのかもしれない。また、休符の扱い、間の扱いが下手なので、違うフレーズがつながってしまい、印象的な聞かせ方ができなかったのではと思いました。まぁ、変なアクセントや変な表情、変な動きをせずに、素直な解釈を望みます。
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