紅葉の季節、せっかくの週末が雨とは、このところ多いパターンだ。来日中のブータン王国の国王も今日は京都に来ているらしいが、この雨は残念なことだろう。
さて、今日の京響定期はあまり期待というか楽しみ感は少ないプログラムだったので、行かないという考えもあった。そうとはいえ、先月の定期で聴かせてくれた重厚な演奏を思うと、京響のブラームスも気にはなるもの。その予想は確信に変わった。
前半はピアノ協奏曲第2番。冒頭のホルンからそれは予想され、ピアノが登場したところで決定的になった。そんじょそこらのブラームスとは違うぞ。オケの確かな音楽性には安心感を覚え、先月の重厚感とは違う心地よさがあった。それに驚いたのはピアノのソヌクのうまさだ。若干23歳とは思えない完成されたテクニックと叙情性。名盤と言われるCDにも勝るとも劣らないものだった。ノイホルトの指揮も流石で、ドイツ音楽を知り尽くした熟練の棒裁きだと思った。すべてが完璧だった。眠いことを除いては(笑)。寝不足だったのは不覚だった。ただでさえ眠い曲なので、それとの格闘にパワーを裂いてしまった。アンコールもまた極上の料理のような芸術品だった。リサイタルいきたいぞ!
後半は交響曲第3番。今度こそ睡魔に打ち勝ってしっかり聞こうと気合いを入れた。この曲はブラームスの交響曲の中では一番お気に入りの曲なのだ。冒頭の金管の和音からまたしても名演の香りがした。何という堂々たるブラームスか。京響の弦楽器は良くも悪くも厚みに欠けるが、それを差し引いても満足の演奏。楽器が、フレーズが有機的につながり、滑らかな音楽の流れができていた。しかし、第2楽章から様相が変わっていった気がする。冒頭のクラリネットは何だか難しいことを表現しようとしていたように思う。ここは素直に吹いてもらいたかったかな?弦楽器を中心にミスも聴かれたし。第3楽章は先月のベルリン放送交響楽団のアンコールで快演を聴いているのもあるが、今日のはテンポも速く、京響らしく?深みが足りなかった。終楽章も速すぎかな?ゆったりとした流れできていたと思ったのに、最後になるにつれ速くなったのが、ちょっと個人的には納得できなかったところ。無い物ねだりでもあるんだけどね。
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