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2012年7月20日 京都市交響楽団
第559回定期演奏会(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

R. シュトラウス/13管楽器のためのセレナード 変ホ長調 op.7
モーツァルト/交響曲第36番 ハ長調 K.425「リンツ」
R. シュトラウス/交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」op.28
R. シュトラウス/歌劇「ばらの騎士」組曲 op.59




演奏者(指揮者・ソリスト)

管弦楽:京都市交響楽団
指揮:広上淳一

感想・短評

梅雨も明けたというのにはっきりしない天気。祇園祭開けは夏真っ盛りになるところだが、天気も一休みか? 京響定期は一休みはなく、全開なことだろう。

今日のプログラムはいろんな編成を楽しめるおもしろいプログラムだ。最初の13管セレナードなんかはなかなか演奏されるものではない。京響が誇る最強の木管セクションプレゼンツ。柔らかで充実感のあるハーモニーを楽しめたが、大ホールはスペックに合わないか?ちょっと響きすぎでハッキリしないようにも聞こえた。

2曲目は弦楽セクションが中心のモーツァルト。来月はチェコに遊びに行く予定だが、リンツにかなり近い都市にも行く。2年前に行ったリンツを思い出しながら聴いた。かなり硬くてシャープな音色。工業都市としてのリンツをイメージさせる印象でもあった。ちょっと変わっていたけど聞き応え十分な重量感だったと思います。相変わらずの睡魔を除いてはね(笑)。

後半はR.シュトラウスのみの選曲。ティルは最近以外に聴かれなくなった曲のように思う。京響がこういう曲をやって上手くいかないわけはない。そんな生易しい予想は豪快に毛散らかされた。稀にみる大演奏となった。ここまで濃密で大スケールの交響詩があっただろうか?ゆったりとしたテンポで事細かな表現も緻密に紡いでいく。あまりの充実度に「カラヤン&BPOを超えた!」と心の中で叫んだ。

「薔薇の騎士」はもっと大スケールで、マーラーの交響曲を聴いている感覚陥ったほどだ。ウィンナーワルツの部分などは大植さんのキテレツ演奏をも凌駕するほどのタメっぷり。勢いに任せた爽快感は少ないながらも、ここまで雄弁に語った演奏は聴いたことがない。

幸いにも、今日の演奏はCD化のための収録がされていた。これはとんでもない演奏記録として話題をさらうのではないだろうか?ウィーンやベルリンで配り歩きたいくらいだ。京響の演奏のすごさを思い知る名盤となることに期待したい。

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