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2012年10月28日 京都市交響楽団
第562回定期演奏会(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

チャイコフスキー/弦楽セレナード ハ長調 op.48
チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 op.64

演奏者(指揮者・ソリスト)

管弦楽:京都市交響楽団
指揮:アレクサンドル・ラザレフ

感想・短評

今日の定期は早々にチケットが完売したらしい。このところの京響の快進撃を考えると当然ともいえるが、それほどの注目曲とは思えない(もちろん名曲には変わらないが)。今日の定期は行くかどうか悩んでいた。というのも、ありふれたプログラムに加えて、先週に引き続きまた弦楽セレナードを聴くのは正直気が進まなかったからだ。しかし、結果的には稀有の素晴らしい演奏会となったので行って正解だった。

何ということか、冒頭から凄まじい音楽の流れ。メロディの陰影が多彩なまでに盛り込まれている。先週の大編成オケとは全く異なる音楽だ。人数も半分だから機動力があるのは当たり前でもあるが、ここまで充実した表情を持った弦楽セレナードは初めてかもしれない。ラザレフ氏の指揮姿はとてもダイナミックでかつ明確。時にはドタドタと足音を響かせ、時には指揮台を降りて振るなど、何かにつけてスケールがでかい。オーケストラもそういう指揮には当然影響される部分も大きいのだろう。いつも以上にダイナミックで、特に低弦のパワーが凄かった。圧巻は最終楽章だろう。何ともすさまじい超特急演奏。フィナーレは全く別の曲かと思ったほどだ。最後に振り終わらぬままに客席方向を向き、満面のドヤ顔を見せていたのは音楽の出来映えを物語っていた。会場も大熱狂でしたが、一番興奮していたのはラザレフ氏だった(笑)。

後半も満足度の非常に高い演奏となった。テンポの取り方に加え、強弱の付け方が実に特徴的で、押しては引く波のような絶妙のニュアンスを堪能することができた。楽譜には忠実なようだが、テンポを2倍遅くするような箇所や、ソロ楽器をはじめとして常に強奏することが多く、これほど各パートに光を当てて変化に富んだ演奏を聴いたことがない。学生オケでも良く取り上げられるので適当な(というか無難な)演奏はよく聴くが、改めてこのような濃密な演奏を聴くと何と難しい曲なんだと感じる。いやいや、長いこの曲がこれほど短く感じたことはなかった。

大熱狂の中、活躍したソリストを讃えていたが、第2楽章で素晴らしいソロを聴かせたホルンの垣本さんを前まで引っ張り出そうと固執していた。トップ奏者じゃなくなぜかトップサイドの奏者とよく握手をしていたのはお気に入りだったのかな?超ご機嫌のラザレフ氏が人気がある理由もよく分かった。ラザレフ氏の強引なリクエスト?により、アンコールが1曲演奏された。

 チャイコフスキー/バレエ「白鳥の湖」より4羽の白鳥の踊り

かなりデフォルメした演奏で、観客を楽しませることを忘れないショウマンシップ炸裂の演奏だった。

ラザレフ氏は経歴も凄いが、実力も相当に高い真の巨匠だった。これまでほとんど聴いたことがなかったのが恥ずかしい。お茶目で楽しさ満点の指揮者だが、演奏中、スコアを破りちぎってしまったことは見なかったことにしておこう(笑)。

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