平日だというのにスゴイ入ったなぁ。京響人気の賜物だが、幻想目当ての人が多いのだろう。人気曲ですからねぇ。さて、前半はハイドンのトランペット協奏曲。シメオは確かにトランペットの天才と言われるだけのことあってウマイのだが、あいにく京響には素晴らしいトランペッターが何人もいるので耳に新しくは感じなかった。それよりも、ヴァイオリンの方から何度もハズレた音が聞こえてきたことの方が気になった。ハイドンよりも、オーケストラ付きのアンコール曲の方が会場は大盛り上がりだった。広上さん&京響の切れ味鋭い演奏に、超絶技巧炸裂のトランペット。こういうのはスカッとしますねぇ。最初からこういう曲で行けばよかったのに。
<アンコール>マカレナ/チャールズ・コーファー
気分良く後半の幻想へとつながる。広上さんで幻想を聴くというのが楽しみだった。こういう人気曲をどのように料理するのか。結果としては想像をはるかに超える秀演となった。特に第1楽章と第4楽章が素晴らしい出来だったと思う。特に思い切った表情を付けるようなことはなかったのだが、京響の技術力の高さが音楽をより一層高みに上げていた感じだ。睡魔との闘いが激しい第3楽章は眠くはならなかったものの特に印象が薄かったのは残念なところか。それでも、オーボエの別動隊をホール3階のバルコニー付近に配置させるなど、空間的な効果は成功していた。同じように空間的な効果といえば、最終楽章の鐘だろう。場所はオルガンの隣の奥まったスペースに配置されていた。小ぶりとはいえ本当の教会の鐘のようなものを用いていたので、音量的には馬鹿でかくて音楽的には阻害するようなものになってしまっていた。鐘の音は良いんだけどね。
京響の実力をもってして、この手のメジャー曲を演奏すると結果はおのずと想像できる。例に違わず大熱狂で幕を閉じたのだが、なぜか広上さんはアンコールを用意していた。幻想の後なので何もいらない気分だったが、後口直しのシャーベット的なポルカは心を落ち着かせてくれたようだ。
<アンコール>ヨハン・シュトラウス2世&ヨゼフ・シュトラウス/ピチカート・ポルカ
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