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2014年3月14日 京都市交響楽団
第577回定期演奏会(京都コンサートホール 大ホール)

演奏曲目および評価

ラフマニノフ/ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18
マーラー/交響曲第1番 ニ長調「巨人」

演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ:ニコライ・ルガンスキー
管弦楽:京都市交響楽団
指揮:広上淳一

感想・短評

今日の演奏会も完売とのことで、なかなかに熱気のある演奏会だった。というのも、会場内には多くのテレビカメラと収録用のマイクが多数設置されていた。NHK Eテレの「クラシック音楽館」で放映するための収録だそう。ここで見逃せないのは「単なる地方オケ特集」という訳ではないことだ。NHKの関係者曰く、京響が快進撃を続けていてスゴイ、というウワサを聞きつけての収録ということらしい。もちろん売り込みがあったのかもしれないが、ウワサは真実なのでさぞ期待した収録なのだろう。私もインタビューを受けましたし(笑)。

さて、その肝心の演奏ですが、さすがに気合入ってました!あまり自己主張しないながらも武骨な演奏をするルガンスキーも聴きものでしたが、やはり京響の底力を見たという感じでした。まず冒頭から弦楽器の分厚さといったらこれまでに聴いたことがないくらいでした。やるじゃん。今回のコンチェルトが素晴らしかった理由の一つが、ルガンスキーのピアノがしっかりしているために、オケが全くの気を使うことなくパワフルに躍動できたこと。いや、やり過ぎといってもいいくらい鳴らしまくってました。決してケンカするわけではないですが、両者負けない対戦だったのが良い演奏の秘訣ではないでしょうか?いやー、前半で聴く方も体力使いました。アンコールは気持ちよく聴かせてくれました。

 ラフマニノフ/絵画的練習曲「音の絵」op.33-8

後半はさらに体力のいるマーラー。実は広上さんでマーラーを聴くのは初めて?(友の会コンサートでは少しやったことある)だったので、期待しないわけにはいきません。少し早いテンポで曲は始まる。冒頭をあまりにも抑えなかったのはちょっと残念でした。トランペットのバンダは2階席バルコニー裏の通路だったのであまり聞こえは良くなかった。舞台袖でも良かったのにね。意図があるんでしょう。曲が盛り上がるにつれオケもヒートアップ。京響らしいパワー全開の演奏でしたが、ちょっと振り切ってしまったようです。第2楽章ではそれがよく分かってしまったような。気合を入れ過ぎで軽やかさというか、落ち着きのない演奏に聴こえてしまいました。第3楽章は緊張のあまりか、コントラバスのソロが成功したとは思えなかった(近くで聴いていたこともあるのかもしれないけど)。それにつられてか、第3楽章は何となくもたつきのあるギクシャク感を感じてしまった。これではテレビ視聴者に本当の京響が届けられない、と思ったのもつかの間、広上さんの見事なドライブも作用して、実に輝かしい終楽章が炸裂した。

普段通りの京響ではなかった気もするが、相変わらずエキサイティングな演奏であることは間違いなかった。この放送を聴いて京響のさらなる人気アップがされることを期待したい。

あ、ちなみに最後にアンコールがありました。2013年度の最後の定期演奏会ということもあって広上さんからの感謝の1曲でした。R.シュトラウス/歌劇「カプリッチョ」より「月光の音楽」

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