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1999年5月20日 京都市交響楽団
第414回定期演奏会(京都コンサートホール)

演奏曲目および評価

ベートーヴェン  ピアノ協奏曲第5番「皇帝」
バルトーク  管弦楽のための協奏曲


演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ: 若林 顕
指揮: ウーヴェ・ムント

感想・短評

いつも思うが弦が堅い! 「皇帝」は金装飾のきらびやかなイメージがあるのだが、今日の演奏はステンレス装飾のようで堅くて、無機質だった。ピアノの若林氏は腕はすばらしいと思うが、オーソドックスすぎてちょっと退屈だったか。強すぎず、弱すぎず、無難な演奏だったので物足らなかった。第2楽章では木管から奇妙な音が聞こえた(オーボエ?)。終楽章は1stヴァイオリンにノイズが多く聴きづらかった。木管陣もトップ奏者達ではなかったので音不足の感は否めなかった。

休憩中、またもクラリネットのレーニが猛練習。オケコンをするためだからか、いつになく練習熱心な人が多かった。

後半は全く期待通りのバルトークだった。やっぱり京響にはこういう曲がよく似合う。いつものことながら、木管陣には舌を巻いた。これほどバランスの取れた木管は少なくとも関西にはない。出だしの低弦はすこぶる重厚で◎。ヴァイオリンも身を切るようなシャープさがあり○(1stヴァイオリンはやっぱりノイズが多かったけど)。第2楽章は木管の力量を堪能するにはもってこいだった。ファゴットとクラリネットは特に絶品だった。第3楽章はピッコロの素直で非常によく通る音にうっとりしてしまった。フィナーレはムント氏の展開が絶妙で、ぐいぐいと曲に引き込まれた。勢いだけで鳴らしすぎるようなことがなく、バランスがよかったのが成功の秘訣といえる。

今回驚いたのは演奏だけでなかった。隣に座っていた人が非情にノリノリで気持ちが抑えられなかったのか、オケコンが終わった瞬間に「ブラボー」と真っ先に叫んだ。真横で叫ばれたので非常にびっくりした。でもその気持ちがよく分かる演奏会であったことは間違いない。

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