せっかくの土曜日の公演なので京都アスニーに足を運んでみました。あまり便利なところではないんですよね。JR嵯峨野線の二条と円町の間にあるので、街中といえば街中なんですが、あまり行かないところですね〜。800円という破格のシリーズなので、観客もそれなりに多く、会場前から多くの人が並んでいました。
ホールは「講堂」といったものなので、あまり音響的によいとは言いがたい。なのでステージに近い前列付近で聞くこと(見ること?)にした。最初のドニゼッティは印象に残る曲ではなかったが、京響メンバーの実力の高さを認識するには十分な曲だった。どのパートの皆さんもウマイです。恐ろしくデッドなステージというわけではないものの、あまり響かない音響の中で安定した音色を奏でられていたのは「さすがプロ」と思いました。
2曲目の高村さんのヴィオラはもっとそういうことを感じさせてくれました。なんと言っても無伴奏ですから。高村さんのヴィオラは安心して聴けます。前半こそ少しバラツキがあったように聞こえましたが、4曲目以降は精神的にもノッテきたのでしょう。よく鳴っていました。しかし、バッハの無伴奏は究極に難しいですね。
今日のイチオシはアイネムです。「ねずみとビーバーと熊」というなんとも風変わりなこの曲は、楽譜の出版社の創立150周年を記念して作られたとのことで、作曲者とその奥さん、そして出版社の3者を表しているらしい(そうは聞こえませんが)。タイトルどおりに、まるで絵本を読んでいるかのような楽しい曲でした。そういう世界に引き込ませた演奏者に拍手です。強いて言えば、プロコフィエフ「ピーターと狼」的な感覚かな? どの楽器がどの動物という指定はなさそうですが、クラリネットはねずみ、ファゴットはビーバー、ホルンは熊と聴くのが常套でしょう。
後半は小品ぞろいですが、「はげ山の一夜」は珍しい編曲なので貴重な体験でした。オーケストラ並みの響きが出せるのだから不思議なものです。個人的には「原点版」で聞きたかったかな(^^;
歌曲の室内楽演奏もなかなか面白いです。歌曲集などを全て室内楽編成版でやるのもいいかもしれませんね。楽器が歌うという意味では同じですので。
最後にアンコールがあった。みんなで歌いましょう!というやつが(汗)。曲は「川の流れのように」。サビしか知らなかったので、他の部分は鼻歌にしました・・・
終演後にロビーではメンバーがお見送りに出てくれていた。サービス精神旺盛です。本当に楽しく演奏している感じが伝わってきました。これで800円か・・・と思いながら帰途につきました(悩)。
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