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2013年4月7日 名古屋フィルハーモニー交響楽団
第36回名古屋国際音楽祭 オープニングコンサート〜コンチェルトの花束〜(愛知県芸術劇場コンサートホール)

演奏曲目および評価

ラヴェル/ピアノ協奏曲 ト長調
モーツァルト/クラリネット協奏曲 イ長調 K.622
ドヴォルザーク/チェロ協奏曲 ロ短調 作品104

演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ:エマニュエル・スビィエルチ
クラリネット:シャーリー・ブリル
チェロ:宮田大
管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団
指揮:秋山和慶

感想・短評

昨日から全国的に台風並みの風と大雨という嵐の中、大垣に用事があったので、青春18きっぷの残っていたこともあり、ついでということで名古屋まで足を延ばしました。名古屋で演奏会に行くのは初めて。愛知県芸にはいつか行きたいと思っていたので、念願叶ったりである。大ホールの方に行ってみたかったが、今回の演奏会はコンサートホールの方。それでも通常のフルスペックのコンサートホールなので立派なことこの上ない。3階構造になっているが、どの席に座っても視界は悪くない。上層階が庇になる個所では音響的に不利な感じ(今回座った場所がそれ)だったものの、ホール全体の響きそのものは美しいと思った。

今回はオープニングコンサートということでソリストが3人という贅沢なプログラムだった。オケは単独で聴くのは初めての名古屋フィル。面白い演奏が聴けるか?

最初は景気よくラヴェル。ピアニストは聴いたことのない人だったが、フランス人らしく自国の音楽を奏でていたと思う。ただ、あまり個性が感じられないというか、抑揚を含めて淡々とした演奏だったので盛り上がりには欠けた感じだ。オケの方も素直な演奏だっただけにそういう思いが強かったのかと。

2曲目はクラリネット協奏曲。ブリルは2年前にリサイタルに行ったことがある。力強い演奏のイメージが強かったが、今日のモーツァルトは非常に柔らかで美しいクラリネットだった。ちなみに楽器はバセット・クラリネットを使っていた。滑らかで流のあるお手本のような演奏だったのではないだろうか?実に夢見心地な感じでした。

最後はチェロ協奏曲。宮田さんのチェロは2回目。3年半ほど前に京響で聴いたときはコンクールで優勝の直後だったこともあり鮮烈な印象があった。今日の演奏に関しても同じような感想だった。何という表現力!完全に音楽は宮田さんが先導していました。実に彫りが深く、いろんな表情を見せるチェロ。テクニックだけでは表現できない技を惜しみなく繰り出していました。ただでさえ叙情豊かで熱狂的なかっこいい曲がより一層凄味のある曲に押し上げてました。いやーブラボー。

演奏の余韻に浸る間もなく、嵐の中の電車に急いでホールを飛び出したことだけが残念でならなかった。

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