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コンサート名・公演名

2003年7月31日 ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル
(滋賀県立芸術劇場 びわ湖ホール)

演奏曲目および評価

サン=サーンス  ハバネラ *1
アーバン  ベネチアの謝肉祭 *2
プッチーニ  歌劇「ジャンニ・スキッキ」より 私のいとしいお父さん *3
プッチーニ  歌劇「蝶々夫人」より ある晴れた日に *3
ドヴォルザーク  ロマンス *4
ドヴォルザーク  「ルサスカ」より 月に寄せる歌 *3
レハール  「メリーウィドウ」より ヴィリアの歌 *3
ベートーヴェン  交響曲第3番「英雄」








演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン: ベンジャミン・ブリーン *1
ヴァイオリン: ヘクター・ファルコン *4
トランペット: ケネス・デ・カルロ *2
ソプラノ: 山口 道子 *3
司会: 竹下 景子
指揮: 高原 守

感想・短評

NHKによる招待公演。ニューヨーク・シンフォニック・アンサンブル(NYSE)は以前から知っていたが、あまり行こうとは思っていなかったオケの一つだ。理由はその実力が分からなかったから。CDとかも出ていないので耳にすることは少ない。オケの母体はメトロポリタン室内管弦楽団であるので、メトロポリタン歌劇場のメンバーやニューヨーク・フィルのメンバーが入っていると言う。今回は、音響的には十二分のびわ湖ホールでの演奏会に参加したので、実力を知るには良い機会。さて、その実力はいかに。

1曲目はちょっと耳を疑うような演奏だった。とにかくヴァイオリンの音が薄く、おまけにミスも多い。そんなヴァイオリンだからオケも遠慮気味で中途半端な演奏になってしまった。

一転、2曲目はソリストのトランペットが素晴らしいテクニックを持って、柔らかな音色をホール全体に響かせていた。難曲だとは思うが、その小気味よさに、気持ち良く音楽に浸れたのは良かった。

その後はソプラノの山口さんの独壇場だった。オケは単調で楽しくなかったのだが、ソプラノを引き立たせるには良かったのかも。ソプラノは伸びやかで、心地が良かった。少し高音域でためすぎる嫌いはあったが、指揮者のゆったりとしたサポートの元で、オペラの醍醐味を味わうことができた。

休憩後、滋賀県知事の國松知事と竹下景子さんによるトークショーが行われたが、あまり面白い話ではなかったのでコメントは避ける。。。

最後はベートーヴェンの英雄。オケの実力を知るにはいい曲だ。しかし、ここでも高原氏の指揮は単調で非常に面白みに欠けた。まじめすぎると言った方が良いのかも知れない。ベートーヴェンの曲に潜む劇性が見えてこない演奏だった。ただでさえ長い曲が、一層長く感じた。極め付けは、最後のクライマックス付近で最前列に近い観客の携帯が高らかに鳴り響き(それも10秒くらい)、指揮者も団員もしきりに観客の方をのぞき込んでいた。しかしその後も腐らずに演奏し続けたオケと指揮者には感心する。

余り得るところのない演奏会だったが、まじめに、それに地道に活動しているNYSEというオケの今後の発展を期待したいところだ。

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