|
大野さんの指揮は過去2回聴いただけだけど、いつも並ならぬ実力の高さに驚いている。今日の公演は主兵を引き連れての凱旋公演だから注目度大なのだ。おまけに曲目は大作ではないものの、私が好みそうな意欲的なプログラムだ。平日のびわ湖ホールなので、観客の入りは想像以上にひどい。6割ほどであろうか?これだけ注目されていても集客できないびわ湖ホールは悲しい。やっぱり大阪から遠いし、そもそもJRの駅から遠しなぁ。。。
そんなことはおいといて、最初はドビュッシーの演奏。冒頭のフルートを聴いただけで「あっ、フランスのオケだ」と認識できるくらいだから個性的だ。続くホルンも木管楽器もフランスの香りが漂う。最も気を引かれたのは弦楽器だろうか?ベールがかかったような柔らかで非常に端正な音色には驚いた。
前半のメインディッシュは「火の鳥」。珍しい1911年版となっているが、さらに全曲版から4曲追加されていたので、結局のところは全曲版からの抜粋という形だった(追加した4曲の出来が良かった)。さすがに色彩豊かなオーケストラで聴くとこういう曲は映える。フランスのオケにはなぜかロシア曲を得意とする伝統があるように思う。その演奏スタイルにも。ただ、あまりに陽気で明るい木管楽器(特にクラリネット)は好みではなかった。
後半は「ロメオとジュリエット」からの抜粋。昨年のゲルギエフ指揮のロンドン交響楽団はかなり個性的な演奏だったが、今日の演奏は奇抜なことは一切しない、純粋にメロディを聴かせてくれる演奏だった。この曲を聴くときにはあまりストーリーを考えて聴かないのだが、目の前で物語が展開しているような非常にわかりやすい演奏だったと思う。圧巻は「タイボルトの死」。最もいろんな要素が含まれる曲なのだが、ダイナミックかつスピード感あふれる進め方にはワクワクした。その後の「別れの前のロメオとジュリエット」「ジュリエットの墓の前のロメオ」もいうことない感動にあふれた美しい演奏でした。飛び抜けてうまい何かがあったわけではないが、聴く者の心をしっかりと満足させてくれる、つまり引き込ませてくれる演奏だったのではないだろうか?
アンコールはなぜか、ブラームスのハンガリー舞曲より第1番。猛烈なスピードで駆け抜けていったので、悪くいえばアンコール的な演奏だった。あのスピードについていけるオケもすごいと思うが。
今日はあまり集中して聞けなかったのだが、大野さんの緻密な音楽作りはよく伝わった。フランス国立リヨン歌劇場管弦楽団はフランス国立リヨン管弦楽団よりもダイナミックな演奏をすることも、ティンパニの叩き方にも特徴があったことなど、いろいろと発見があっておもしろい演奏会だった。
2009年コンサートカレンダーにもどる
|