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2005年6月4日 オルフェウス室内管弦楽団
(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

シベリウス  組曲「ペレアスとメリザンド」より抜粋
プロコフィエフ  交響曲第1番「古典交響曲」
ベートーヴェン  ヴァイオリン協奏曲



演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン: ジョシュア・ベル

感想・短評

8年ぶりにオルフェウスを聴いた。独自のスタイルを守りながら、メンバーもほとんど変わらずに活動しているのはスゴイ。このところあまり名前を聞かない気がするためか、シンフォニーホールでのビッグネーム登場の割には観客の入りが悪く、5割〜6割ほど。シンフォニーホールでここまでの状態はあまり見たことがない。なぜ???

最初はシベリウス。組曲から1・2・3・5・7曲の抜粋で演奏された。室内編成にしてはスケールが大きく、透明感と合わせてシベリウスらしさがプンプンだった。第2曲、第5曲の繊細な表現が絶妙。第3曲での木管(コールアングレ)の極上の美しさ、第7曲のアンサンブルなど、聴き所がとても多かった。

プロコフィエフはオルフェウスらしさが良くでていたと思う曲。とても完成度が高く、これまでに聴いた古典交響曲の中では一番の緻密さだった。とても指揮者がいないとは考えられない。本当に奏者全員の理解が行き届いているのだろう。線の細さは否めないが、ガラス細工のような透き通る美しさはこの楽団ならではだろう。


ジョシュア・ベル

メインはヴァイオリンのベルを迎えてのベートーヴェン。オルフェウス、ベルともにベートーヴェンというイメージはないのだが、叙情的な曲の演奏には結構期待していた。ベルのヴァイオリンはとても澄み切っていて、触ると壊れてしまうほどの繊細なもの。朗々と歌うほどではない演奏だったので、第2楽章はちょっと退屈気味だったかな。でも、オルフェウスの音色ととてもマッチしていたのは、心地の良いところだった。カデンツァも美しく聴かせてくれたし。

観客が少なかった割にアンコールは大充実していた。これほど演奏してくれるとは!

  ・クライスラー  愛の悲しみ(独奏:ジョシュア・ベル)
  ・バルトーク  ルーマニア民族舞曲
  ・武満徹  映画「他人の顔」よりワルツ

特にバルトークが最高。アンコールの前に帰る観客も多かったが、この曲を聴かなかったのは大損害だったろう。プログラム中のプロコフィエフと同じように、機動力をまざまざと見せつけた演奏。武満徹の曲も非常に美しく、アンコールだけでも満足できる演奏会だった。

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