8年ぶりにオルフェウスを聴いた。独自のスタイルを守りながら、メンバーもほとんど変わらずに活動しているのはスゴイ。このところあまり名前を聞かない気がするためか、シンフォニーホールでのビッグネーム登場の割には観客の入りが悪く、5割〜6割ほど。シンフォニーホールでここまでの状態はあまり見たことがない。なぜ???
最初はシベリウス。組曲から1・2・3・5・7曲の抜粋で演奏された。室内編成にしてはスケールが大きく、透明感と合わせてシベリウスらしさがプンプンだった。第2曲、第5曲の繊細な表現が絶妙。第3曲での木管(コールアングレ)の極上の美しさ、第7曲のアンサンブルなど、聴き所がとても多かった。
プロコフィエフはオルフェウスらしさが良くでていたと思う曲。とても完成度が高く、これまでに聴いた古典交響曲の中では一番の緻密さだった。とても指揮者がいないとは考えられない。本当に奏者全員の理解が行き届いているのだろう。線の細さは否めないが、ガラス細工のような透き通る美しさはこの楽団ならではだろう。
ジョシュア・ベル |
メインはヴァイオリンのベルを迎えてのベートーヴェン。オルフェウス、ベルともにベートーヴェンというイメージはないのだが、叙情的な曲の演奏には結構期待していた。ベルのヴァイオリンはとても澄み切っていて、触ると壊れてしまうほどの繊細なもの。朗々と歌うほどではない演奏だったので、第2楽章はちょっと退屈気味だったかな。でも、オルフェウスの音色ととてもマッチしていたのは、心地の良いところだった。カデンツァも美しく聴かせてくれたし。
観客が少なかった割にアンコールは大充実していた。これほど演奏してくれるとは!
・クライスラー 愛の悲しみ(独奏:ジョシュア・ベル)
・バルトーク ルーマニア民族舞曲
・武満徹 映画「他人の顔」よりワルツ
特にバルトークが最高。アンコールの前に帰る観客も多かったが、この曲を聴かなかったのは大損害だったろう。プログラム中のプロコフィエフと同じように、機動力をまざまざと見せつけた演奏。武満徹の曲も非常に美しく、アンコールだけでも満足できる演奏会だった。
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