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2002年5月16日 大阪フィルハーモニー交響楽団
第358回定期演奏会(フェスティバルホール)

演奏曲目および評価

メシアン  忘れられた捧げ物
ブラームス  ピアノ協奏曲第2番
ラヴェル  亡き王女のためのパヴァーヌ
ラヴェル  「ダフニスとクロエ」第2組曲




演奏者(指揮者・ソリスト)

ピアノ: ムルクス・グロー
指揮: 矢崎 彦太郎

感想・短評

本日の演奏会は本来、若杉氏が指揮のはずだったが、先日けがをしてしまったために矢崎氏に変更になった。そのためというわけではないだろうが、今日のお客の入りはいまいち。前回は今まで行った大フィルの中での1、2を争うひどい出来だったので、今回は少し恐れていた。それも「亡き王女のためのパヴァーヌ」をするというのだからその恐れも大きかった。

さて、1曲目はメシアン。この曲は初めて聴くが、メシアンにしては(?)明快な曲。オケの方も今日は調子がいいのか、難も少なく伸びやかに演奏していた。最後の一音のあとに続く長い沈黙が演奏の良さを物語っていたかもしれない。

2曲目は久々に聴くブラームスのピアノ協奏曲第2番。本当に10年ぶりくらいだ。ソリストはマルクス・グローという若手演奏家。諏訪内晶子との日本ツアーも控えている人だ。そのグローだが、いまいちブラームスにははまらない。音量はあるのだが、ミスタッチが多く、少し音が堅い気がした。それでも随所に華麗なテクニックを見せ、楽しませてもらった。オケの方もソリストに遠慮することなく鳴らしていたのは評価に値する。もう少しホルンが良ければ・・・

3曲目はそのホルンが心配な「亡き王女のためのパヴァーヌ」。弦楽器はノープロブレム。というよりラヴェルの艶めかしい表現をよく表していて聴いていて心地よかった。問題はホルン。ミスがあまりなかったことで少しは安心したが、それではいけない。曲に音色がマッチしていないのだ。とてもラヴェルらしいとはいえず、この曲の良さを表現するまではいかなかった。前回のバボラクがホルンだったら・・・と思った人も多いのではないだろうか。

最後は「ダフニスとクロエ」。冒頭は各楽器ともほとんど合ってなく、まるで演奏前のチューニングを聴いているようだったが、曲が進むにつれ団員の気持ちも興奮してきたのだろうか。非常にノリが良くなってきた。多少ごまかしもあったように思われるが、それを感じさせない快演となった。特にフルートがよい働きを見せ、打楽器陣もいつもになく充実したバランスを保っていた。久々に大フィルに感動したかもしれない。曲の高揚感によるものも大きいと思うが・・・

何しろ今日一番良かったのは矢崎氏の指揮だと思う。決して焦らず、大きな間合いを取ってスケールの大きな指揮を執っていたのが素晴らしいと思った。抑揚に富んだ表現も見逃せない。また矢崎氏の演奏で聴いてみたくなった。

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