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今回は聴き応えのあるプログラム。調子のいい大フィルと、注目のホァン・モンラとの合わせ物も楽しみ。
最初はシベリウス「ポヒョラの娘」。表題は「娘」なのだが、題に似合わずとても男性的な作品。初めて聴くので曲の善し悪しは分からなかったが、とにかくシベリウスらしい曲だった(笑)。あまり印象がなく、少しばかり退屈気味な演奏(曲?)だった他は特に感想はない。
さて、注目のホァン・モンラによるシベリウス。ところでこのモンラ氏は、パガニーニ国際ヴァイオリンコンクールで優勝したほか、多くのコンクールで賞をもらっている中国を代表する若干24歳の若手ヴァイオリニストだ。最近のヴァイオリニストらしく、技術的にはレベルが高い。ただし、非常に繊細で、男性ヴァイオリニストにしては珍しいほど線が細い。その点が、少しこの協奏曲のスリリングさを表現するにはもの足らなかった。指揮者のせいなのか? ヴァイオリンのせいなのか? 早弾きのパートになるとテンポダウンしてしまったのも残念な点。この曲はいろんな演奏家で聴いているが、今日の演奏はヴァイオリン自体の音色の美しさもあり、今までにない穏やかなものに感じた。
後半はショスタコーヴィチの10番。一気に雰囲気が厳しくなる。非常にゆったりしたテンポで曲を味わうように進めていくシェーファー氏。この曲の背景にあるものをもう少し表す感じで、もう少しテンポを変幻自在に使ってもらいたかった。オケはシベリウスでは爆発できなかったこともあるのか、元気よく鳴らしていたのはGood。最後は気が狂ったかのようなアップテンポで曲を閉じたのは興奮できたが、ちょっと唐突感も否めなかった。シェーファー氏の特徴をあまりつかむことができなかったが、比較的慎重派で、どちらかと言えば正統的で、ドイツ的な重厚な音楽の方が向いているのかも知れない。今度はブラームスやベートーヴェンといった曲で聴いてみたい指揮者だ。
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