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2005年3月17日 大阪フィルハーモニー交響楽団
第386回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

マーラー  交響曲第6番「悲劇的」

演奏者(指揮者・ソリスト)

指揮: 大植 英次

感想・短評

音楽監督就任記念演奏会での第2番に続く大植氏によるマーラー演奏の第2弾。期待が大きいため、当然のように会場はほぼ満員御礼。マーラー2番の時はオケが大植氏の指揮にあまりついていけなかったように感じたので、今回はどこまでくらいついていけるかに注目。

冒頭の緊張感は非常に高く、かなり気合が入っていることをうかがわせた。弦もウマイ。しかし、標準的なテンポで曲が進んでいく。特に目立った特長はないのかと思っていたところ、中盤以降で大植マジックともいえる面白いアクセントが次々と飛び出した。急激なテンポの変化に、今日のオケは本当に良くくらいついていた。第1楽章終盤のテンポの千変万化はすさまじく、スリル満点。手に汗握る展開に拍手が起きるのではないかと心配になるほど充実したものだった。第2楽章もまずまずだったが、次の聴き所は何といっても第3楽章。しつこさがなかったのでもう一押し欲しいところだったが、弦楽器の美しさは十分。眠くなる楽章だが、眠くならなかったということは良い演奏だったといえる(笑)。第4楽章ではオケに疲れが見え始め、至るところでミスや不自然な部分が聞こえた。しかし、この楽章の最大の楽しみは、誰が何と言おうが「ハンマー」による打撃だ。以前に大フィルでこの曲を聴いたときは、舞台袖からおもむろに出てきたハンマー奏者が、強烈な騒音をぶっ放してくれたが、今日の演奏では共鳴体が付いている台を使っており、かなり控え目に鳴らしていた。これは舞台があまり広くないというのと、良く響くホールだからという理由もあったのかも。ハンマーの山場が過ぎると、あとは奈落の底へと曲は突き進む。最後の音が消えたあとも会場は静寂に包まれていた。これは大フィルの演奏会では結構珍しい。それだけ完成度が高かったということがいえるのかもしれない。

全曲を通して、トランペットがあまり魅力的ではなかったのが少し残念なところだが、弦楽器の魅力と、大植氏の全身を使っての猛烈な指揮振りを拝見できたということで、まずまずな演奏会だったと思う。次は9月のマーラー3番に期待だが、チケットが入手できていない。。。

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