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2006年3月16日 大阪フィルハーモニー交響楽団
第396回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

スメタナ  交響詩「我が祖国」

演奏者(指揮者・ソリスト)

指揮: 小林 研一郎

感想・短評

招待券をいただいたものの、プログラムはちょっと苦手なスメタナ。さらに、今日はホールから遠いところで仕事をしていた上に天気は雨ときた。行くかどうか悩んだ末、友人も行きたいとのことだったので意を決して行ってきた(笑)。

今日の演奏は来て「正解」でした! 大フィルの定期に久々の登場のコバケン。おまけに得意の「我が祖国」ときた。それだけでも期待はできるものなのだが、「モルダウ」が好きではないのであまり魅力は感じていなかった。ところがどっこい。気合入りまくりの熱演のみならず、細部までしっかり丁寧に描く音楽にはただ脱帽の演奏でした。特に驚いたのは2曲目の通称「モルダウ」。これほどまでに美しい曲だったのかと思うほど。しつこく歌わせる演奏に飽きていたのだろう。素直な演奏がこれほど魅力的だったとは思いもよりませんでした。その上、結構演奏が難しそうな曲・・・。そんな素晴らしい演奏をぶち壊すのがお決まりの「フライング拍手」だ。ご存知の通りの箇所で出た。未だにいるんですね、あそこで拍手する人。ほんと呆れます。

他の曲もどれも素晴らしい演奏だった。第2曲に加え、特に印象深かったのは第3曲「シャールカ」と第4曲「ボヘミアの森と草原から」。大フィルの演奏で「完璧な演奏」と思ったのはいつ以来なんだろう? コバケンはホント、曲を知り尽くしている。テンポを操作するのではなく、自然なうねり(というか、揺らぎのような感覚)で曲を流していく。さらには強弱にも繊細な表情がつく。大フィルも弱音をうまく表現できていたのが良かった。もちろん「炎のコバケン」ぶりも炸裂。演奏後はこれまでにないほどの多くの「ブラボー」が浴びせられていた。

「我が祖国」はただのロマンチックな曲かと思っていたが、物語要素が強く、激しい曲想なのがよく分かりました。80分の大作は全く眠くならずにあっという間に過ぎてしまった。これまで避けていた「我が祖国」。これはCDで復習しときます。

【余談】 コバケンは譜面なしで長大な曲を指揮していた。それ自体は驚くことではないのだが、なぜかソリストがいるわけでもないのに指揮者の前が大きく空いていた。コバケンは曲の始め・合間・終わりとも、指揮台から降りてオケに何度もお礼をしていたのだ。感謝の念を絶えず忘れない。そんなコバケンの演奏への姿勢が曲を一層魅力的なものにしていたのかもしれない。

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