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2008年4月22日 大阪フィルハーモニー交響楽団
第417回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

アルベニス/カタルーニャ狂詩曲
ラロ/スペイン交響曲 ニ短調 作品21
ラフマニノフ/交響的舞曲 作品45



演奏者(指揮者・ソリスト)

ヴァイオリン:長原幸太
指揮:大植英次

感想・短評

久々に?大フィルを遅刻せず最初から聴けるぞ!今シーズン最初の定期演奏会ということもあり、大植さんのお辞儀がやたら長かったのが印象的。今日の演奏会は収録があるのかマイクが多く設置されていた。また、通路の補助席が同じ制服を着た女子高生?で占拠されていた。何かといつもとは異なる雰囲気の中、演奏会が始まった。

さて、アルベニスは「なんだろなぁ」という感じで、捕え所がない曲だった。スペイン風と思いきや、フランスらしいようにも聞こえたのは大植さんのタクトのためか? しつこさがなく跳ねるような軽さを表出させていたので、より魅力を加えていたような気がする。あんまり面白い曲ではないですが・・・

2曲目は「スペイン交響曲」。この曲は学生時代に何度も繰り返し聞いていたほどのお気に入り曲だったが、今日は本当に久しぶりに聴いた。何よりもまず、長原さんのヴァイオリンが圧巻の演奏だった。あまりオケの方は覚えてないほどなので(笑)。特に、むせび泣くような哀愁に満ちたビブラートにはハッとしました。大フィルもスゴイ人をコンマスに引っ張ってきたものだとつくづく思う(感心)。日頃の疲れがかなりたまっていたために半分近く朦朧として聞き流してしまったのは本当にもったいなかった。

今日の演奏会に来た最大の理由は、後半の「交響的舞曲」を聴くためと言っても過言ではない。全てのオーケストラ曲の中でも最も好きな曲と言っていいほどのお気に入りだからだ。それだけに曲への思い入れは強く、好みの演奏スタイルにもこだわりがあるので、今日はどうなのだろうか?

いつもの大植さんらしく、遅めのテンポで始まるが、歌うところは朗々と歌い、シャープさが欲しいところはスピード感溢れる指揮で、2月の定期での幻想交響曲の名演が思い起こされた。特にすさまじかったのは第2楽章後半部分。まるでJ.シュトラウスのワルツかブラームスのハンガリー舞曲かと思わせるほどの超テンポ変化。やりたい放題なほどスローテンポ炸裂でした。第3楽章に入るとさらにテンポの起伏が細かく要望され、ちょっとクドサ満点の演奏となった。ここまで表情つける演奏はそんなにないのでは? 比較的スピーディにスタイリッシュな演奏が多い理由が分かった気がする。それでも、今日の演奏は面白かったと思う。木管がもっと自己主張して欲しいと思いましたが。。。この曲は熱狂的なクライマックスを迎えて終わるが、拍手が難しい曲でもある。なぜなら最後はドラの残響が残るからだ。案の定、拍手のタイミングを逸した聴衆はうろたえてました(笑)。

歯切れの悪い終わり方でしたが、今シーズン最初の演奏会から大植節炸裂で、今年もいろいろ楽しませてくれるなと思いました。

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