今年もあと2カ月を切ったので、私にとっては、2年続いたマーラーイヤーの最後を締めくくる演奏会になりそうだ。曲目も「大地の歌」なので、最後にはふさわしい。オマケに大植さんを定期で聴くのも今回が最後になるかもしれない(春までの予定は入れてないから)。そういう思いを持った観客も多いのか、会場はほぼ満席という盛況ぶりだった。
最初はシューベルト。5番はメジャーとまでは言い難いが、私が最初に親しんだシューベルトの交響曲でもあるので思い入れはある。室内楽的な曲なのでもちろん派手さはないが、シンフォニックな聴き応えのする名曲である。大植さんの指揮は珍しくあっさりとしていたので、残念ながら淡白で面白味に欠けた。第2楽章は美しく聴かせてくれましたけど。眠気の方が勝る演奏だったようで、たいした印象は残ってません。。。
後半はメインの「大地の歌」。もともとメゾ・ソプラノはナタリー・シュトゥッツマンが受け持つことになっていたのだが、直前になって体調不良で交代となってしまった。大物の不参加は非常に残念だったのだが、代役を勤めた小川さんがスマッシュヒットでした。オーケストラががんばり過ぎていたので、テノールの歌声はオケに大部分がかき消されてしまったものの、メゾ・ソプラノが歌う曲はオケががんばるところではないので良く聞こえました。何といっても最後の第6楽章でしょう。この曲を眠らずに聴けたのも奇跡だが、最終楽章をちゃんと聞いたのもあまり記憶にない(笑)。小川さんの澄み切った歌声は心地よいという以外の何者でもない。感慨深く、消え入るように曲が閉じられようとしていたとき、またも事件が起こりました。やっぱりいるんですね、フライング拍手です。なぜ分からんかねぇ。曲をまったく知らないというしかない愚かな行動です。大植さんは構わずに手を下ろさなかったため、一部の無能な客の拍手も数秒で消え入りました。その後の拍手は感動を共有できた素晴らしい拍手でした。大植さんの指揮は前半とは異なり、やりたい放題の緩急強弱の荒波でしたが、いい演奏だったと思います。個別にはオーボエの大活躍が全体を締めていたと思います。
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