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関西ではいろいろなホールに行っているにもかかわらず、意外にもこくさいホールは2回目。今回オペラ公演はチケットも早々に完売していたので期待も大きい。3階席の後方の割りに傾斜もあり舞台は非常に見やすい位置だった。こくさいホールの音響もそれほど悪くないので安い席で十分なのだ。
さて、今回の公演は、オペラ界で若手の登竜門と称されているイタリア・スポレート歌劇場の引っ越し公演。残念ながらパンフレットを購入していないので配役が正確に分からない。上記に記した配役はチラシなどからの引用なのでご了承を。
舞台全体の感想からすると「ふつう」といったところだった。今ひとつな点は多かったが、3つ挙げるとすれば「不安定な演奏のオケ」「歌手陣の個性薄い歌唱」「平凡な演出」これに尽きる。
オケはまずは序曲から期待を裏切られた。室内オケ並の人員だったので仕方ないのだが、スピード感とボリュームのなさはいただけない。このオペラの序曲は全てを凝縮しているといっても過言でないほど重要なので、もっとしっかりと演奏して欲しかったものだ。おまけに抑揚がなく、ミスもちらほら・・・ 序曲に限らずすべての箇所にて不安定な音を出していた。ただ、救いといえば、後半の第3幕〜4幕になると勢い良く鳴り出していたこと。前半は力を抑えていただけなのかも知れない。
さて、歌手陣に目を移すとこれまた特筆すべき点が少ない。しかし、歌手名が分からないのは残念だが、伯爵夫人のソプラノは一番輝いていた。その次に伯爵かスザンナかな? 伯爵にあまり威厳を感じなかったはマイナスだ。フィガロも主役にもかかわらず影が薄かった。そんな歌手の出来のためか、客層の違いのためか、アリアの後にあまり盛大な拍手が起こらなかった。観客の評価が物語っているようでならないが。
演出がこれまた退屈気味だったのがいただけない。舞台セットにはあまり不満はない。調度品など小物も充実しており、最低限のものは全て揃っていたからだ。しかし、この歌劇の面白さは演出に尽きる。フィガロがバルトロとマルチェリーナの息子であると判明するところなんかは最大に笑いを誘うところなんだが、さらっと通してしまったり、ポイントとなるケルビーノなんかも中途半端。あまり話のキーになっていなかった。また、随所に出てくる給仕のパントマイムは意味不明。どのような効果を期待していたのだろうか?
全体を通して、話の筋を追うのに精一杯になってしまうほど。分かりやすくした上でユーモアを交えないとモーツァルトの魅力は出てこない。何とも満足感に欠ける公演だった。
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