最初は少ないと思ってたが、開演時間になると結構埋まっていた。イスラエル・フィルの時と同じ入り具合か。曲目の割りにはよく入ったものだ。いつもマニアックなプログラムの大響だが、今日は比較的分かりやすい曲が並ぶ。それでもあまり演奏されない曲なので、私的にはとても魅力的だ。
最初のヴォーン=ウィリアムズは彼らしい作風の民謡をモチーフにした穏やかで美しい曲。目をつぶって聴いているとイギリスの風景すら思い浮かぶ感じだ。行ったことないけど(笑)。オーボエのソロが最高でした。
次に登場は私にとって鬼門の漆原さん。これまで何度も聴いているが、どうもウマが合わない。今回はイメージの合わないバルトークなので一層不安だ。その印象は冒頭で少し取り払われた。なかなか良い音出してました。ただ、昨日の五嶋さんとは違い、やっぱり淡白過ぎてバルトークらしい民族臭さやユニークな歌い回しが感じられなかった。しかし、抑制しつつもオケの方はウマかった。ツボを押さえた指揮で、推進力が強かった。もっとヴァイオリンが引っ張ると良いんだけどね。
後半は期待のニールセン。好きな作曲家だが、なかなか演奏されない。後ろに座っていた人も「全然知らん」と言っていたほど知名度は高くない。それだけに生演奏の機会は貴重なのだ。演奏の方は期待を裏切らない立派なものでした。はっきりいって非の打ち所が見当たらないほど出来が良かった。弦楽器の緻密で暖かみのある音色、力強く輝かしい金管、しっかりした音量ながらも耳障りにならない打楽器。ニールセン全曲演奏やっても上手くいきそうだ。指揮も強烈なドライブでグイグイ引っ張っていたのが爽快だった。最後のコーダは圧巻でした。
前半のプログラムでは爆睡モードなほど眠かったが、ニールセンの素晴らしい演奏に一気に目が覚めた。大阪のオケも実力が拮抗してきたために、今後も聴き逃せなくなりそうだ。
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