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2013年1月31日 大阪交響楽団
第172回定期演奏会(ザ・シンフォニーホール)

演奏曲目および評価

ディーリアス/楽園への道
エルガー/チェロ協奏曲 ホ短調 op.85
ウォルトン/交響曲第1番 変ロ短調

演奏者(指揮者・ソリスト)

チェロ:横坂源
管弦楽:大阪交響楽団
指揮:尾高忠明

感想・短評

久しぶりの大阪交響楽団。大阪シンフォニカー交響楽団からの名称変更したとき以来となる演奏会だ。近年はあまりにマニアックな曲をプログラミングすることで知られるオーケストラのため、さすがの私でもなかなか足を運ぼうとはいかない。今日のプログラムは珍しく「メジャー曲」ともいえる選曲なのだ。特にウォルトンは好きな作曲家だし、2月の京響定期でも演奏されるので聴き比べには最適なのだ。

さて、シンフォニカー時代からオケの安定性は今一つだと思っていたが、今日は考えを改める必要を感じた演奏会だった。一言でいえば、かなりレベルが上がっているオーケストラだということだ。大フィルを除き、関西のオーケストラレベルは格段に上がってきているように思う。それを感じざるを得ない素晴らしい演奏会だった。

最初はディーリアス。歌劇「ロメオとジュリエット」からの1曲で、とても心穏やかになるメロディアスな曲だ。弦楽器のふくよかな演奏には正直驚いた。尾高さんの実直なタクトもあり英国気分満載だった。続くエルガーは横坂さんのオンステージです。観客としては最も近い席で聴いたために、ほとんどチェロの音しか聞いてません(笑)。音程、テクニックともに秀でてました。一方でオケのチェリストはちょっと残念でした。音楽の流れは多少ぎくしゃくしており、チェロもオケもテンポを刻みすぎで変なリズムができてしまい、滑らかにはいかなかったところは惜しい。

後半のウォルトンは快演といって差し支えないでしょう。素晴らしい推進力の堂々たる演奏でした。この曲は演奏自体が難しいらしい(イギリスの曲は相対的にそんなこと言われる)が、そんなことは微塵も感じさせず、出るわ出るわの爽快なメロディ。金管の頑張りようは特筆できると思います。尾高さんもこの曲を知り尽くしていた。曲と指揮、オケが三位一体になって鳴り響いていた感じです。まさか、大阪交響楽団でここまでの演奏を聴けるとは思ってもいませんでした(失礼!)。

兼々願っているイギリス音楽特集を聴けただけでもうれしいが、これほどの完成度をもって聴けたというのはうれしい誤算だった。帰りの夜風が爽快だったことは言うまでもない。

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