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コンサートのススメ

コンサートのススメ

クラシックコンサートは堅苦しくて行きづらい・・・という声を良く耳にしますね。なので、コンサートの楽しみ方や会場でのマナーなど、初めて行く人にも分かりやすく紹介してみようと思います。一期一会の生演奏は録音にはかないまセンよ。

マナー編
楽しみ方編


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コンサートのススメ〜楽しみ方編

クラシックのチケットははっきり言って高いです! ものによっては、数万円もしてしまいます。「2時間で数万円」と考えると高いのですが、指揮者とオーケストラ合わせて数十人もの人数がいることを考えれば、まんざらおかしなことではなさそうです。高いチケットを無駄にしないためにも、演奏会はいろいろな角度から楽しんでみましょう。

 さぁ、演奏会のチケットを手に入れよう!

基本的に演奏会は当日会場でチケットを買うものではありません。少しでも良い席で見るためには早めにチケットを押さえておくことをお勧めします。ましてや人気公演にとなると、チケットを押さえること自体が困難になります(まぁポップスなどに比べると取りやすいと思いますが)。一般的に、安いチケットから売れていく傾向がありますので、リーズナブルな席で聞きたい場合は、チケット争奪戦に勝つためにも、事前に公演情報や発売情報を入手しておきましょう。

【主なチケット情報&入手先】
 どんな格好で行けばいいのだろう?

これは初心者だとかなり悩みます(^^; 私が初めて本格的なコンサートに足を運んだのがベルリン・フィルだったので、正直ホールの前でうろたえました(汗)。ベルリン・フィルとかの世界一流オケの場合は特別なんですが、業界の大物などのVIPも多くやってくるので、正装に近い人だっています。それ以外の人もスーツを着込んだ人がほとんどです。でも、日本では特に正装でなければならないというしきたりはありません(その時はジーパンにセーターという格好で聴きました)。半パンとかランニングシャツなどではない、世間の常識的な格好であればOKなのです。ただし、外国は違うので気をつけた方が良いようです。

 会場にはどのくらい前に行くの?

これは人それぞれデスね。大方の演奏会の場合は、開場時間が開演時間の30分〜1時間前なので、開場時間を過ぎた辺りがいいのではないでしょうか? 開演5分前になると客席に入るところの扉が閉められることが多いので、それまでに行くのがいいでしょう。理想としては30分くらい前に会場に行って、パンフレットなどで情報をインプットしながら、心を落ち着かせておくのが望ましいと思います。

ただし「全席自由席」という公演の場合は注意が必要です。当然、入場者順に好きな席に座っていくので、良い席はアッという間に埋まってしまいます。その場合、かなり早めに会場に行っておく必要があります。では「どのくらい前に行けばいいのか?」。これは公演の人気度にも寄りますし、どの席で聴きたいかにも寄ります。都市部か地方かの公演にも寄ります。一概には言えませんが、経験上、開場時間の1時間前に行っておくのが最も無難だと思います。開場時間の1時間〜30分前に次々と人がやってくるからです。もっと早く並んでもいいですが、それは疲れます。その日の気合で決めましょう(笑)。

 コンサートホールにはどんなものがあるの?

ホールにはいろいろな設備や見所もあります。初めて行くホールの場合は早めに行って、いろんな座席からの眺めを楽しむのも面白いですし、次回の参考にもなります。その他、ホールにはいろいろなサービスがあります(ないところもあります)ので探検してみましょう。

  • ショップ
    著名なホール(サントリーホールやザ・シンフォニーホールなど)にはオリジナルグッズを売っているショップがあります。記念に買うのも良いでしょう。
  • チケットカウンター
    そのホールで催されるイベントのチケット販売もやっています。チケットの発売日と合わせている公演もあるので覗いてみるのもいいでしょう。
  • クローク
    手荷物やコートなどを預けるところ。基本的には無料です。ただし、冬場などは終演後に混雑しますので、帰りを急ぐ場合は預けない方が無難かも知れません。他に有料のコインロッカーがあるところもあります。
  • 喫茶・バー
    ロビーではコーヒーや紅茶だけでなくワインなどが飲めるところがあります。また、サンドウィッチやケーキなどの軽食もあります。しかし、総じて割高です。私のような貧乏人には関係ありません・・・
  • 託児所
    子どもが預けられるところです。使ったことないので詳細は分かりません。ホールによっては「母子室」という親子で入る部屋もあります。この場合は演奏を楽しめますが、基本的には音はスピーカーから流れますので、行く意味があるかどうか分かりません。
  • その他
    ホールを訪れた演奏家の写真などがロビーに飾られているところがあります。また、何気なく飾られている絵画が実はスゴイ絵だったりすることもあるので、美術館に来たと思って見学するのも面白いでしょう。
 マニアックな楽しみ方は?

せっかくコンサートを楽しむのなら、隅々まで楽しまなくてはもったいない! ホールを見渡せばいろんな発見がありマスよ。ちょっとマニアックな観察をしてみましょう。

  • ホールの材質
    特にホール内の壁に注目するといろいろな違いがあることが分かります。反射板や吸音板などの違いだけでなく、木材、樹脂、金属板、石材などさまざまです。京都コンサートホールでは、ホール内の壁が京都らしく格子戸状になっているのがユニークです。また、大阪のザ・シンフォニーホールでは、ホール内の壁に使っている素材がとても音響的に良いものを使っているように思います。一度、壁際の席に座って聞いてみれば分かると思いますが、圧迫感がなく、バランスよく聞こえます。端っこの席といえど、素晴らしいです。
  • パイプオルガン
    最近の規模の大きなホールには多く設置されていますが、どれもデザインが異なり立派なたたずまいです。設備が大きいだけでなく、海外から職人が来て設置するもののようなので、費用もすごくかかっています。オルガンを使う曲が頻繁にあるわけではありませんが、使わない時でも側に行って見学したいものです。
  • 天井
    ホールごとに高さはまちまちです。天井が高く、空間を広く取ったホールはその分響きもスケールが大きくなります。東京のサントリーホールはこの空間を見事に響かせているホールだと思います。天井には特に何があるわけではありませんが、面白い形をしているところや、反射板の設置方法が面白いところもあります。また、照明自体も趣向を凝らしたデザインになっているところが多いので、眺めてみるのはどうでしょうか?
  • 椅子
    全く気にならないと言えばそれまでなんだけど、ホールごとに座席の椅子も異なります。あたりまえですが。。。ただ、座り心地が違うと言うだけにとどまらず、細かい配慮がされている場合もあります。びわ湖ホールの場合は、背もたれの部分の布張りが頭のところまでありません。そのために座り心地は若干良くないのですが、これは少しでも布生地による残響の吸収を抑えるための配慮。そう見てみると、ホールによっていろいろな座席があるもんだと感心します。
 どの席で聴くのが良いんだろう?

これはコンサートに行く時に最も重要なポイントです。「S席が一番良いに決まってるジャン」という人が多いでしょう。これは、私の意見としては「No」デスね。ホールにもよりますが、音響的には安い席の方が良い場合が多いです。なぜなら、演奏者が奏でた音は、直接飛んでくる「直接音」と、床や壁などで反射される「反射音(間接音)」に分けられますが、一番要素の強いのがこの「反射音」だからです。床で反射した音はどこに飛ぶでしょうか?そう、上の方に飛んでいきます。そのために2階席や3階席など、安い席にランク付けされている席が良く聞こえることになるのです。そのため、S席であるはずの1階席最前列などは、音響的に最悪といっても過言ではありません。S席であれば、舞台の高さよりも高くなる、真ん中より後方が良い席といえるでしょう。ただし安い席は、良く見えない、バランスが悪いなど、弊害も多いことだけはお忘れなく。

※一般論であってホールによって条件は全く異なります

 休憩はどうすればいいの?

一般的なオーケストラのコンサートであれば、途中で20分程度の休憩時間があります。オペラなどであれば30分ある場合もあります。この休憩時間は女性にとっては「トイレ争奪戦」になります。20分の間に何百人もの人がトイレに行くのだから大渋滞は必至です。やはりトイレは演奏会が始まる前に済ませておくのが賢明ということでしょう。「用を足していたら演奏が始まってしまった!」というのはあまりにも悲しいです。演奏家によっては、休憩時間中に舞台上で練習している人もいますので、それを眺めつつゆったりと過ごすのが私は好きデスね〜。

 拍手はどのようにすればいいの?

マナー編」でも禁断事項を紹介しましたが、ここでは良い拍手の仕方を紹介します。クラシックのコンサートは、拍手の仕方で演奏家の気分も大きく変わります。基本的には演奏が終わったら拍手をするのですが、演奏家(指揮者)が引いた後も拍手を続けます。そうすればまた演奏家(指揮者)は舞台に出てきます。それを数回繰り返すのが慣わしになっています。ここでは演奏家と観客で引き際のせめぎ合いになります(笑)。演奏家が気分を良くすればアンコールだって期待できるでしょう。名演を残した時は、オーケストラのメンバーが全員いなくなった後でも拍手が続くことがあります。その時はだれもいなくなった舞台に指揮者がもう一度出てきます。単に熱狂的なファンによって演出されることもあるのでご注意を。

あと、演奏会が始まる時、オーケストラのメンバーが舞台に集まりだす時にも拍手をしたいものです。一流オケの時には拍手が起きますが、それ以外のオケの時にはほとんど拍手が起きないというのは、ちょっとおかしなものです。いい気分で演奏してもらうためにもしっかり歓迎したいところです。

→マナー編

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