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2007年8月31日 サイトウ・キネン・オーケストラ
サイトウ・キネンフェスティバル松本(まつもと市民芸術館)

演奏曲目および評価

チャイコフスキー/歌劇「スペードの女王」(全3幕)

演奏者(指揮者・ソリスト)

ゲルマン:ウラディーミル・ガルージン
リーザ:オルガ・グリャーコワ
伯爵夫人:ラリサ・ディアートコワ
エレツキー公爵:スコット・ヘンドリックス
トムスキー伯爵/プルータス:マーク・デラヴァン
チェカリンスキー:ジョン・ダスザック
ポリーナ/ダフニス:スザナ・ポレツキー
家庭教師:イリーナ・チスチャコーワ
スーリン:小野和彦
マーシャ:黒木真弓
チャプリツキー/儀典長:大槻孝志
クロエ:安藤赴美子
ナルーモフ:成田眞
児童合唱:SKF松本児童合唱団
合唱:東京オペラシンガーズ
指揮:小澤 征爾

感想・短評

先週のルツェルン音楽祭に続く、音楽祭第2弾。2回目の鑑賞となるサイトウ・キネン・フェスティバルに行ってきました。今回の目玉は何といっても、3年ぶりのオペラ公演となる「スペードの女王」。さぞ、チケット争いも激しいかと思いきや、なぜかあっさりチケットが取れてしまったので楽ちんだった(かなり争奪だったそうだが・・・)。


松本といえばお城

会場前の看板

カーテンコール

舞台は額縁の中という演出

会場に来ていた広上さん&下野さん

会場となるは、まつもと市民芸術館。2005年の「グレの歌」を聴いたときと同じホールなのだ。前回ほどではないが、オペラ公演ということもあり、服装もちゃんとした人が多かった。ポロシャツで行ったのはまずかったかな・・・ ロビーをうろついていると、クラリネット奏者のカール・ライスターがワインを飲んだくれて歩いているのを発見! パンフレットにサインをもらいながら話をしたが、自分の英語力のなさと、酔っぱらいのためにあまり話がかみ合わなかった。。。

さて、観覧した座席は一番安い席なので4階席最後列。意外にも見やすい席だったので良かった。ただ、オーケストラピットは中腰状態にならないと見えづらい。オケのメンバーを確認したが、やはり酔っぱらいライスターは降り番だった。

演奏時間3時間(休憩入れると4時間)の長いオペラなので、細かい感想は書けないが、前回サイトウ・キネンの演奏を聴いて感じたガッカリした印象は全て吹き飛ぶほどの素晴らしい演奏でした。冒頭の序曲から全力で突き進む。長いオペラなのに体力は大丈夫なのか少し心配したほど。

チャイコフスキーのメロディとサイトウ・キネン・オーケストラの相性は非常に良いみたい。特に弦楽器による甘美なメロディはサイトウ・キネンの得意とするところ。さらには一流奏者ばかりの金管陣も負けてはならぬものかと、伸びやかに吹きまくっていた。そればかりではない。今回最もオペラの劇性を数段高めたのは、ライナー・ゼーガースのティンパニだと言いたい。オケピであれだけの強打をするティンパニは初めて聴いた。

もちろん舞台上では豪華歌手陣が望みうる最高の歌唱力を披露。特にゲルマン役のガルージンの安定性は抜群。精神異常の主役を緊張感を持って貫いてました。スゴイ。さらに話の内容を深くしていたのが、メトロポリタン歌劇場から持ってきたという舞台セットだろう。リアルなだけでなく、無駄なものを排除した豪華さというものがよりストーリーを集中させてくれた気がする。

良いシーン、聴き所のシーンが多すぎて感想が書けない・・・ チャイコフスキーの音楽ってそんな感じなんですよね。全てが良かった。満足のいくオペラ公演でした。DVD出たら買うぞー。

終演後は例のように楽屋口に行った。前回同様、またもや団員たちは早々にバスに乗り込んでいたので、数人にしかサインをもらえませんでした(残念)。歌手陣は主役のガルージンを除いてほとんどもらえました。オドロキは、指揮者の広上さんと下野さんが出てきたこと。広上さんは今回のサイトウ・キネンのゲストコンダクターだから分かるが、下野さんは???と思っていたところ、広上さんの弟子だということでした。

時計の針は22時半を過ぎていた。今回はたっぷりとサイトウ・キネン・フェスティバルを堪能できました。ちなみに、次の日は諏訪湖の全国新作花火競技大会の鑑賞でした(笑)。

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