昨日の公開練習を聴いているだけに今日の展開は予想できた。セミナーの成果発表という場なので、気合いが入っているのは良く分かった。今日は小澤さんの指揮は全くなし。その代わりという訳ではないが、お話はいろいろあった(昨日話したものがほとんどだったが)。
昨日も聴いたレクイエムは、昨日に比較してゆとりのある指揮だった陳さん。テンポをかなり落としてじっくりと歌わせていた。ソプラノの張さん(張という字ではないが変換できない)は昨日の伸びやかさはなく緊張した感じだった。
初物といえば、続くロッシーニの作品。序曲は鬼原さんに指揮が代わる。有名な序曲で聴かせ所も多いだけに、きれいにまとめていた。少し単調さも否めないのものの、素直で良かったと思う。続いてアリアが2曲。ロジーナのアリアはテクニックも要される曲。線が細いながらも気持ち良く歌っていた。演技を交えながらだったのが表情豊かで良かった。ベルタのアリアでは指揮を再び陳さんにバトンタッチ。こちらのソプラノは声量がかなり大きく、オケをも圧倒するほどだった。聴き応えあったが、ロジーナの方が良かったかな・・・ ちなみにアリアを歌った2人は、小澤征爾音楽塾オペラプロジェクトの「セビリャの理髪師」ではセカンドカバーキャストになっている。
後半はベートーベンの7番。ただし、第2楽章と第3楽章は鬼原さんの指揮で、第4楽章は陳さんの指揮。ん?第1楽章は?ということになるが、小澤さんの説明では「まだマスターできていない」ようなことを言っていた。ベートーヴェンは奥が深いと。。。昨日の指揮練習でも指摘を受けていた部分に注目してみたが、第3楽章の冒頭の息遣いはちょっと失敗だったかな? スマートに曲に入れていませんでした。それでも、昨日の指揮に比べて動きも大きく、しっかり振れていたと思う。第4楽章の陳さんは昨日よりも「堅さ」は取れていたものの、力みすぎで勢いは止まらず。この勢いで全曲を振るとダウンしてしまいそうなほど。聴いている方も力が入って疲れました。。。
どちらの指揮もさすがにプロに比べると至らぬ点も多く、まだ全てを見渡せていない感じだったが、2日間の指揮ぶりを見ただけでも変化が出ていたので、実力はかなりあるのかも知れない。これから数年後にどんな形で再会できるか楽しみにしてみたい。
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