京都の秋の紅葉を楽しむために山科でのんびりしていたら、あやうく遅刻するところでした。駆け込んでギリギリ間に合いました。今日のプログラムは前半が注目なので遅れるわけにはいかなかったため危ないところでした。
1曲目は西村さんの「桜人」。パンフレットの解説通りのイメージではなかったものの、シーンの移り変わりをいろいろ想像しながら聴くと面白かった。導入部は極寒の吹雪をイメージしたくらいですから(笑)。第3部は“さくらさくら”の旋律が心地よく漂っていたのが日本らしくて嬉しい演出だった。西村さんは会場にも来ていて、最後まで演奏を聴いてました。
2曲目は今日の目玉商品、期待の吉松さんの新作だ。マリンバ協奏曲というユニークな挑戦もさることながら、リズムをメインにしていることからも楽しい曲に間違いなしなのだ。現代音楽らしい曲に背を向けている作風だけに、とてもとっつきやすい曲で、マリンバも自然にハマっていて面白い曲だった。やっぱり第3楽章の熱狂的なリズムは特筆すべき点でしょう。バーンスタインを想起させるリズムは特徴的だったかな?吉松さんも会場に来られていました。今日は作曲家デーです。
アンコールはマリンバで、マスカーニ/歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より間奏曲。表情が非常に豊かで、1台の楽器とは思えない深い演奏が聴けた。こういうのを聴くと、本編の吉松さんの作品は、それほど技術を駆使していたわけではないなぁと思ってしまいました。。。
後半はブラームスの2番。今月はブラームスづいている気がする。プレヴィン指揮のN響、ヤンソンス指揮のコンセルトヘボウ、シュテンツ指揮のN響と、一流の演奏が続いているので珍しい現象だ。そんな中でも今日の演奏は勝るとも劣らない充実の演奏だった。飯盛さんは見かけに反して正統的なドイツ音楽を紡ぎだす。サヴァリッシュに師事していたからもあるのだろう。ゆったりした第2楽章は特に濃すぎるくらいロマンチシズムが溢れる演奏だった。しかし、いつもに増して鳴りっぷりの良い、パワー全開のブラームスは聞き応えあるが疲れるのも確かだ。プレヴィンの時もそうだったが、全身全霊で演奏するのがブラームスなのだろうか?良い演奏を何度も聴いていると、ブラームスに関しての印象が変わるなぁ。失礼ながら後半はあまり期待していなかっただけに、大演奏を聴けてとても満足な定期演奏会でした。
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